【改正入管法】特定技能に関する政省令の骨子

  • 2019.01.18 Friday
  • 19:02

 

昨年(2018年)12月28日付けで、新たな外国人材受入れに関する政省令(案)の概要について、パブリックコメントが掲載されました。

意見公募の締め切りは1月26日です。

その後正式に成立し、4月1日に施行される見込みです。

 

これで、「特定技能」に係る新制度について、具体的な中身に関する情報がほぼ出そろった形になります。

新制度開始に伴い、既存の2法務省令(入管法施行規則、上陸基準省令)に加え、新たに2つの省令が設けられます

以下にそれぞれの概要をご紹介します。

 


 

1、新たに設ける省令(2省令)

 

〃戚鵝ぜ入れ機関,支援計画等の基準に関する省令 

 ・受入れ機関が外国人と結ぶ契約が満たすべき基準

 ・受入れ機関が満たすべき基準

 ・支援計画が満たすべき基準等

 

∧野,技能水準に関する省令

 ・受入れ対象分野,技能水準

 


 

2、既存の省令の改正(2省令)

 

‐緡Υ霆狆蔑

 ・外国人本人に関する基準

 

⊇估国管理及び難民認定法施行規則

 ・受入れ機関の届出事項・手続等 

 ・登録支援機関の登録に関する規定等 

 ・その他(在留期間等)

 


 

上記のうち、実務上特に重要と思われるのが新たに設けられる省令のうち「〃戚鵝ぜ入れ機関,支援計画等の基準に関する省令 」です。

具体的には、雇用契約の内容について、報酬額が日本人と同等以上であること、帰国旅費を受入れ機関が負担すべき場合があること等が列挙されています。あわせて、受入れ機関が満たすべき基準(たとえば、労働関係法令を遵守していること、悪質な紹介業者が介在していないこと、給与は預金口座へ振り込みにより行うこと等)が事細かに定められています。

 

新たなビザの運用のために、法務省令が2つも新設されるというのは珍しいケースです。

しかも、新たに盛り込まれる規定の内容もかなりのボリュームがあります。

それだけ、大型の法改正であることがうかがえます。

 

国会での審議過程においては白紙委任法案と揶揄された改正入管法ですが、実質的なコンテンツである省令の正確な理解が実務におけるひとつの山場となりそうです。

 

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【改正入管法】基本方針・分野別運用方針・総合的対応策の要旨

  • 2018.12.27 Thursday
  • 18:53

 

来年4月の改正入管法施行に向けて、政府は25日に【基本方針と【分野別運用方針】を閣議決定しました。

 

基本方針】は、新在留資格「特定技能」ビザの制度運用に関する方針を定めたもので、【分野別運用方針】は、受け入れ見込み人数や具体的な業務等について14業種ごとの方針を定めたものです。

 

さらに注目すべきは、外国人材の受入れ・共生のための施策を定めた【総合的対応策】も同時に了承・公表された点です。

★この【総合的対応策】は、特定技能ビザに限らず、すべての在留外国人が対象となっており、その施策分野も広範であるため、とても重要です。

 

以下、それぞれの要旨について、最重要事項と思われるものを中心に簡単にまとめます。

 


 

基本方針

 

・外国人が大都市圏等に集中しないよう必要な措置を講ずるよう努める。

 

・受け入れ分野(特定産業分野)は下記14分野であり、関係行政機関において分野ごとに分野別運用方針を策定する。

 

《特定産業分野》

1介護業/2ビルクリーニング業/3素形材産業/4産業機械製造業/5電気・電子情報関連産業/6建設業/7造船・舶用工業/8自動車整備業/9航空業/10宿泊業/11農業/12漁業/13飲食料品製造業/14外食業

 

・日本人の雇用機会の喪失や処遇低下等を防ぐ等の観点から、分野別運用方針で、当該分野の向こう5年間の受け入れ見込み数を示す。当該見込数は、大きな経済情勢の変化が生じない限り、外国人受入れの上限として運用する。

 

・日本語能力試験(テスト)は原則として国外で実施する。

 

・悪質な仲介業者を排除するため、法務省は2国間取り決め等必要な方策を講じる。

 

・特定技能外国人の報酬額は日本人と同等以上とする。

 

・受入れ先企業は、特定技能外国人に対して生活支援を実施する義務がある。

 

・同一業務や業務内容に共通性がある場合は転職を認める。

 

・雇用形態はフルタイムとした上で、原則直接雇用とし、特段の事情がある場合は例外的に派遣を認める。

 

 


 

分野別運用方針

 

・特定技能1号の技能試験及び日本語能力判定テストの開始予定時期について、2019年4月としている分野は、介護業・宿泊業・外食業の3分野のみ。それ以外の分野は2019年秋以降や2019年度内とされている。

 

・受入見込数の合計は34万5150人

 

・受入見込数が一番多い分野は介護業で6万人、次いで外食業の5万3000人、建設業の4万人が続く。

 

・14の分野のもと、それぞれ具体的な業務が「試験区分」に基づき細分化・規定されている。

 

《例》素形材産業の場合

・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・工場板金 ・めっき ・アルミニウム陽極酸化処理 ・仕上げ ・機械検査 ・機械保全 ・塗装・溶接 の13試験区分

 

 


 

総合的対応策

 

・都道府県や政令指定都市等100か所に一元的相談窓口「多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)」を設置。また、「生活・就労ガイドブック(仮称)」を多言語で作成・配布する。

 

・医療や災害対策、運転免許取得、住宅、金融等の面でも多言語化等により支援する。

 

・日本語教育体制を充実化するとともに、日本語教育機関に対する規制を厳格化する。

 

・留学生が就職できる業種の幅を広げるため、2019年3月を目途に法務省告示の改正を行う。また、中小企業への就職支援のため、各種提出書類の簡素化を検討する。

 

・施策情報を提供する「高度外国人材活用推進プラットフォーム」を日本貿易振興機構に設置する。

 

・事業所や外国人に対する社会保険への加入を促進させるとともに、健康保険の被扶養者を原則国内居住者に限定する方針。

 

・技能実習について、各国と二国間協定を締結するとともに、特定技能ビザ対象国(9か国)との間で悪質なブローカー排除のため「政府間文書」の作成を目指す。

 

・外国人本人に代わってビザ手続きができるオンライン申請手続きの一部運用を2018年度中に開始する。

(当初の対象となる手続きは、在留期間更新許可申請・資格外活動許可申請・再入国許可申請となる見込み)

 

・法務省と厚労省が連携・情報共有し、業種別・地域別の就労状況を正確に把握することで在留管理体制を強化する。

 


 

なお、上記オンライン申請手続き導入に伴う法務省令改正については、12月27日付けでパブリックコメントが公示されています。

 

今後来年初旬にかけて、具体的な手続き規定について順次法務省令が改正されていくものと思われます。

 

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【改正入管法】付帯決議と永住ビザ審査のゆくえ

  • 2018.12.20 Thursday
  • 18:04

改正入管法が成立し、政府・法務省は各種方針や政省令の整備を急ピッチで進めています。

 

分野横断的な基本方針には都市部等への過度な集中回避や同一分野内での転職などを明示し、受け入れ分野ごとに定める分野別運用方針には受け入れ人数や対象職種などが盛り込まれるとみられています。

 

いずれも年内に閣議決定される見込みなので、まもなくその全容が明らかになりそうです。

 

改正入管法成立後は、上記方針や省令の動きに注目が移っていますが、

ここで、改正入管法可決時に衆参両院にてそれぞれ付された付帯決議に着目してみたいと思います。

※付帯(ふたい)決議とは、衆参両院で法案が可決された際に、その後の施行や運用についての要望を表明したものをいいます。いわば、政府に対する国会からの注文です。法的拘束力はありませんが、政府にはこれを尊重することが求められます。

 

衆参それぞれの付帯決議(全文)は以下リンクからご確認いただけます。

 

衆議院

参議院

 

今回注目したいのは、参議院の付帯決議のうち、10号の決議内容です。

そこでは下記のとおり記載されています。

 


 

近年の我が国の在留外国人数の増加を踏まえ、在留外国人からの永住許可申請に対しては

出入国管理及び難民認定法第二十二条第二項の要件の適合性について、厳格に審査を行うこと

 


 

新在留資格『特定技能1号』『特定技能2号』ビザにより受け入れが見込まれる外国人は、2019年4月から5年間で最大34万5千人と試算されています。

ただでさえ、ここ数年で在留外国人は急増しており、平成30年6月末の在留外国人数は263万7,251で、前年末に比べ7万5,403人(2.9%)増加となり過去最高を記録しました。

 

また、それに伴い『永住者』の数も増加を続けています。

意外と思われるかもしれませんが、在留外国人のうち、もっとも多いのは永住者です(下記グラフ参照)。

 

 

国会は上記経緯及び将来性を鑑み、永住審査の厳格化の必要性を唱えています。

 

もっとも、あくまで付帯決議での明記にとどまっているため、ただちに厳格化されることはないと思われますが、少なくとも外国人の増加により永住審査が緩和される方向に動くことはなさそうです。

(一方、一部の高度人材等に関しては、今後も政策的な緩和措置が続けられるものと予想されます)

 

最新の報道によると、事実上永住への道が開かれる『特定技能2号』ビザについて、(建設分野に限ってですが)早くも来年4月から受け入れが可能となるようです。

ただし、ここでいうところの事実上の永住永住者の在留資格はまったくの別物なので注意が必要です。

 

特定技能2号は在留期間の更新が可能であることから、更新が認められる限り、結果として日本に永住することは不可能ではありません。

しかし、だからといって特定技能外国人が永住ビザを取得できるかというと…、現状の永住審査基準が大幅に緩和変更等されない限り、実際のところかなり困難であろうと思われます。

 

いずれにせよ、永住審査の厳格化が付帯決議に明記された事実は軽くはありません。

しかも、文言上、特定技能外国人のみを厳格化の対象するものではないため、従前の在留外国人にとっても今後の審査運用には細心の注意が必要といえそうです。

 

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【最新】改正入管法が成立しました(2019年4月施行)

  • 2018.12.11 Tuesday
  • 18:29

 

12月8日(日)未明に、改正入管法が参議院で可決され、成立しました。

 

来年4月から『特定技能1号』『特定技能2号』の新在留資格がスタートします。

同時に、法務省入国管理局は法務省外局の出入国在留管理庁に格上げされます。

今後の日本国のあり方を左右する極めて重要な法案であるにも関わらず、審議時間は、衆参両院で合計38時間という短さでスピード可決されたことに批判が集まっていますが、成立した以上、あとは何をどのように準備して来年4月の施行を迎えるかという課題に向き合っていくしかありません。

 

政府は10日、今後のスケジュールについて下記のとおり公表しました。

 


 

【年内】

政府が今後の運用の方向性を示す「基本方針」及び各省庁が各分野での受け入れ人数を定める「分野別運用方針」を策定

→基本方針は25日か28日に閣議決定見込み

 


 

私見によれば、その後来年1〜2月中に入管法施行規則及び上陸許可基準省令の改正案についてパブコメ掲載され、4月の施行に備えるものと思われます。

 

具体的な内容は政省令で定めるとする「白紙委任立法」との批判も強い今回の改正ですが、入管法は、従前より政省令(主に省令)に委任される部分が多い構造となっています。

現行法においても、いわゆるビザ取得要件というものは大半が基準省令で規定されています。

 

したがって、本当に大切なのはこれからと言えそうです。

とはいえ、法律と違って政省令は国会によるチェックができません。

そのため、パブコメ(パブリックコメント)において少しでも議論が深まることが望まれます。

 


 

 

上記のように、改正入管法を台風の目として嵐のごとく過ぎ去った今臨時国会ですが、

台風一過の国会での話題は早くも憲法改正に移っているようです。

 

当然ながら、憲法改正も国のかたちを大きく変える非常に重要なテーマです。

政府は、平成32(2020)年の改正憲法施行を目指しています。

 

来年1月下旬に招集見込みの通常国会では、憲法改正が主要議題となると思われます。

こればかりは、絶対に“拙速”などと言われてはなりません。

 

国民的議論の場が早い段階で確保提供されるよう、今後も国会運営に注視する必要がありそうです。

 

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【最新】入管法改正案が衆議院を通過しました

  • 2018.11.29 Thursday
  • 18:55

入管法改正案は27日夜に衆議院で可決され、参議院で審議入りしました。

政府は、12月10日までの国会会期内の成立を目指しています。
これまでも本ブログで紹介しているとおり、今般の改正で新設されるビザは特定技能1号特定技能2号の2段階構成となっています。
現時点で想定されている特定技能制度をまとめると下記のようになります。
下記のとおり、3年間の技能実習を終えた技能実習2号から特定技能1号へ移行できる構図になっており、実際にかなりの割合で技能実習からの移行(事実上の延長)が行われるといわれています。
また、技能実習1〜3号の上限は通算5年で、特定技能1号の上限は5年なので、これにより最長10年間の滞在が可能になります。さらに熟練した技能が認められれば特定技能2号への格上げもでき、在留期間の上限がない、事実上の永住への道も開かれます。

政府は当初より今般の改正は『移民政策とは異なる』として繰り返し主張しています。

しかし、事実上の移民政策にあたるとする意見も多く、議論が噛み合わない印象を受けます。

その背景には、そもそも「移民」の定義が双方で一致していないという点が挙げられます。

国連によれば、「移民」とは「1年以上外国に居住している人」としていますが、政府は、「国民の人口に比して、一定程度のスケールの外国人およびその家族を、期限を設けることなく受け入れることによって、国家を維持していこうとする政策」が移民政策であり、今回の政府案はそれにあたらないとの立場をゆずりません。

しかし、先にみたように、特定技能2号に移行すれば、家族の呼び寄せが認められ、在留期間の上限もありませんので、更新が認められる限り、事実上日本に永住することもできます。さらに、永住許可要件を満たせば、永住者のビザを取得でき、活動に制限なく家族とともに日本に住み続けられる可能性も出てきます(ただ、永住要件は収入条件等ハードルが高いため、実際は相当厳しいと思います)。そのため、国際的な考え方に照らせば、移民政策といわれる理由も理解できるように思えます。

なお、現在受け入れが検討されているのは下記14業種とされています。
ところが、具体的な受け入れ分野は法案には明記されず、下位規範である法務省令に委任される形式をとっているため、今後はさらに範囲が拡大する可能性も否定できません。
法案ベースでは、未確定要素が多すぎるといった印象です。衆院でどこまで議論を詰められるかが注目されます。

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【要点整理】改正入管法案の概要

  • 2018.11.13 Tuesday
  • 13:58

今月2日に改正入管法が国会に提出されましたが、委員会審議を経て、本日(13日)、衆院本会議で審議入りします。

実際の改正案は既に公表されています。

そこで、以下、改正入管法のポイントを整理するとともに、簡単な解説(コメント)を添えたいと思います。
注:改正案はまだ国会で審議中で、成立したわけではないため、下記はあくまで現時点(仮)の見通しである点に留意ください。

 

1、目的に関する規定の整備

入管法の目的(1条)として、「本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図ること」が追加されました。現行法は「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」とあるのみなので、「在留」に言及するものではありませんが、在留外国人が256万人を突破した今、「出入国」のみならず、「在留」も焦点化するのは自然な流れですし、実態にも沿うと思われます。


 

2、出入国在留管理庁長官の権限に関する規定の整備

現在の法務局入国管理局から、外局として独立する形で「出入国在留管理庁」が新たに設置されます(改正法務省設置法)。それに伴い、同庁の長として、出入国在留管理庁長官という官職が誕生し、主任審査官の指定等の職務を担うことになります。
あらゆる条文の主語(主体)が法務大臣から出入国在留管理庁長官に変更されていることからも、与えられる権限の大きさをうかがい知ることができます。

 

3、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針等に関する規定の整備
本改正により、新たに「特定技能」ビザが生まれるのですが、政府は、同ビザに係る制度の適正な運用を図るため、基本方針を定めなければならないとされています。基本方針の案は法務大臣が作成し、閣議決定を経て公表されます。
また、法務大臣は、上記基本方針にのっとり、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野を所管する関係行政機関の長並びに国家公安委員会、外務大臣及び厚生労働大臣と共同して、当該産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図るため、当該産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(以 下「分野別運用方針」という。)を定めなければならない。つまり、基本と分野別という二重構造で方針が作成されるようです。

 

4、特定技能雇用契約等に関する規定の整備
特定技能ビザを取得しようとする外国人が日本の企業等との間に結ぶ雇用契約については、法務省令で定める基準に適合する必要があります。具体的には、下記事項が適切に定められている必要があります。
⑴特定技能雇用契約に基づいて当該外国人が行う当該活動の内容及びこれに対する報酬その他の雇 用関係に関する事項
⑵⑴に掲げるもののほか、特定技能雇用契約の期間が満了した外国人の出国を確保するための措置 その他当該外国人の適正な在留に資するために必要な事項
その他、雇用者(会社等)は特定技能外国人が当該活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画(「一号特定技能外国人支援計画」)を作成する必要があり、その計画の適正な実施や、雇用契約の適正な履行が確保できるよう、法務省令で定める基準に適合しなければならないとされています。

 

5、上陸の手続きに関する規定の整備
特定技能ビザの上陸の申請(在留資格認定証明書交付申請)にあたっては、上記「一号特定技能外国人支援計画」が所定の規定の適合するものであることも審査しなければならない旨も追加されました。
★ここで注目すべきは、受け入れ停止についても規定されていることです。特定産業分野(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に規定する特定産業分野をいう。以下同じ。)を所管する関係行政機関の長は、当該特定産業分野に係る分野別運用方針に基づき、当該特定産業分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときは、法務大臣に対し、一時的に在留資格認定証明書の交付の停止の措置をとることを求めるものとし、法務大臣は、この求めがあったときは、分野別運用方針に基づき、一時的に在留資格認定証明書の交付の停止の措置をとるものとするとされています。また、法務大臣は交付の再開措置もとることができます。

 

6、届出に関する規定の整備
特定技能ビザを有する外国人は、契約の相手方である本邦の公私の機関の名称若しくは所在地の変更若しくはその消滅又は当該機関との契約の終了若しくは新たな契約の締結が生じたときは、当該事由が生じた日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、出入国在留管理庁長官に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届け出なければなりません。
★ここで注目すべきは、特定技能所属機関(つまり、雇用者)について、届出義務が強化されている点です。具体的には下記事項について長官に対して届け出なければなりません。
⑴特定技能雇用契約の変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、若しくは特定技能雇用契約が終了したとき、又は新たな特定技能雇用契約の締結をしたとき。
⑵一号特定技能外国人支援計画の変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき。
⑶四の3の契約の締結若しくは変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、又は当該契約が終了したとき。
⑷⑴から⑶までに掲げるもののほか、法務省令で定める場合に該当するとき。
上記のほか、下記事項も届出義務とされています(一般的な就労ビザとの大きな違いです!)
⑴受け入れている特定技能外国人(特定技能の在留資格をもって本邦に在留する外国人をいう。以下同じ。)の氏名及びその活動の内容その他の法務省令で定める事項
⑵適合一号特定技能外国人支援計画を作成した場合には、その実施の状況(契約により九の登録支援機関に適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託したときを除く。)
⑶⑴及び⑵に掲げるもののほか、特定技能外国人の在留管理に必要なものとして法務省令で定める事項
★この届出義務に違反した場合は、罰則規定(71条の4第1号)が適用されるため注意が必要です。

 

7、特定技能所属機関に対する指導及び助言等に関する規定の整備
出入国在留管理庁長官は、所定の事項を確保するために必要があると認めるときは、特定技能所属機関に対し、指導及び助言をすることができるとされています。あわせて、必要な限度において報告や書類の提出・出頭を求めることができ、入国審査官等に質問や立ち入り検査をさせることができます。その結果、問題があると認められる場合には、改善命令がなされます。

 

8、特定技能所属機関による一号特定技能外国人支援等に関する規定の整備
特定技能所属機関は、適合一号特定技能外国人支援計画に基づき、一号特定技能外国人支援を行わなければなりません。

 

9、登録支援機関に関する規定の整備
契約により委託を受けて適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施の業務(以下「支援業務」 という。)を行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることができます。
登録を受けた者(登録支援機関)は、委託に係る適合一号特定技能外国人支援計画に基づき、支援業務を行わなければならず、法務省令で定めるところにより、支援業務の実施状況その他法務省令で定める事項を出入国在留管理庁長官に届け出なければなりません。その他、登録の取消しや届出等について規定されています。

 

10、在留資格の変更に関する規定の整備
特定技能の在留資格を有する者については、在留資格の変更に、法務大臣が指定する本邦の公私の機関又は特定産業分野の変更を含むものとされています。
★つまり、現行法上の「高度専門職1号」と同様に、転職の際にも変更申請が必要ということです。

 

11、関係行政機関との関係に関する規定の整備
出入国在留管理庁長官又は入国者収容所長等は、出入国及び在留の管理並びに難民の認定に関する事務の遂行に当たり、当該事務の遂行が他の行政機関の事務に関連する場合には、関係行政機関と情 報交換を行うことにより緊密に連絡し、及び協力して行うものとされています。

 

12、罰則等の整備
上記6で一部言及したとおり、この法律の規定に違反した者について、新たな罰則規定等が設けられます。

 

13、別表第一の整備
新たに「特定技能」の項を加え、特定技能の在留資格をもって在留する外国人が本邦において行うことができる活動として下記活動が規定されます。
【一号】
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野 (人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産 業上の分野として法務省令で定めるものをいう。)であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動
【二号】
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動
それに伴い、「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人が本邦において行うことができる活動にも、別表第一の二の表の「特定技能」の項の下欄第二号の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動が追加されます。

 

14、その他所要の改正を行うこと
表記の調整等が行われています。

 

以上、概要を整理してご紹介しました。

上記の規定のされ方からわかるように、方針や要件等、本質的部分に関しては、基本的に法務省令に委任されているため、法案だけだと具体的なイメージがわかないのが率直なところです。

今回の法改正の大きな問題のひとつは、まさにこういった規定のされ方にあるのですが、来年4月の施行を目指すのであれば、今国会でまずは大枠だけでも決めておきたいのでしょう。

今国会の会期は12月10日までです。果たして上記内容で可決成立するのか、審議の行方を見守るほかありません。

 

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【最新】社会保険料と外国人に関する新方針

  • 2018.11.09 Friday
  • 14:15

来年4月に予定されている新在留資格のスタートに向けて、法務省では各方面からの調整が進められています。

最新の報道によると、社会保険料を滞納している外国人については、ビザの更新を認めない(場合によっては在留資格を取り消す)とする方針が法務省で検討されているようです。
具体的には指針(ガイドライン)を改正し、悪質な社会保険料の不払いなどがあれば在留を認めないようにする方向で調整されています。
違いがわかるように、現在(2018年11月9日現在)の指針(在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正))を以下に引用します。

 

1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
申請人である外国人が行おうとする活動が,入管法別表第一に掲げる在留資格に
ついては同表の下欄に掲げる活動,入管法別表第二に掲げる在留資格については同
表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることが必要となります。

2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
法務省令で定める上陸許可基準は,外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準
ですが,入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動
を行おうとする者については,在留資格変更及び在留期間更新に当たっても,原則
として上陸許可基準に適合していることが求められます。
また,在留資格「特定活動」については「出入国管理及び難民認定法第七条第一
項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(特
定活動告示)に該当するとして,在留資格「定住者」については「出入国管理及び
難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に
掲げる地位を定める件」(定住者告示)に該当するとして,上陸を許可され在留して
いる場合は,原則として引き続き同告示に定める要件に該当することを要します。
ただし,申請人の年齢や扶養を受けていること等の要件については,年齢を重ね
たり,扶養を受ける状況が消滅する等,我が国入国後の事情の変更により,適合し
なくなることがありますが,このことにより直ちに在留期間更新が不許可となるも
のではありません。

3 素行が不良でないこと
素行については,善良であることが前提となり,良好でない場合には消極的な要
素として評価され,具体的には,退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行
為,不法就労をあっせんするなど出入国管理行政上看過することのできない行為を
行った場合は,素行が不良であると判断されることとなります。

4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
申請人の生活状況として,日常生活において公共の負担となっておらず,かつ,
その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること
(世帯単位で認められれば足ります。)が求められますが,仮に公共の負担となっ
ている場合であっても,在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には,そ
の理由を十分勘案して判断することとなります。

5 雇用・労働条件が適正であること
我が国で就労している(しようとする)場合には,アルバイトを含めその雇用・
労働条件が,労働関係法規に適合していることが必要です。
なお,労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は,通常,
申請人である外国人に責はないため,この点を十分に勘案して判断することとなり
ます。

6 納税義務を履行していること
納税の義務がある場合には,当該納税義務を履行していることが求められ,納税
義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば,納税義
務の不履行により刑を受けている場合は,納税義務を履行していないと判断されます。
なお,刑を受けていなくても,高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も,
悪質なものについては同様に取り扱います。
7 入管法に定める届出等の義務を履行していること
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は,入管法第
19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定す
る在留カードの記載事項に係る届出,在留カードの有効期間更新申請,紛失等によ
る在留カードの再交付申請,在留カードの返納,所属機関等に関する届出などの義
務を履行していることが必要です。
<中長期在留者の範囲>
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人で,次の 銑
のいずれにも該当しない人
 孱碍遏廾焚爾虜瀘唄間が決定された人
◆崔惨滞在」の在留資格が決定された人
「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人
 銑の外国人に準じるものとして法務省令で定める人
特別永住者

 

上記「」に記載があるように、現時点では、納税義務を履行していないとしても、それは「消極的な要素として評価」されるだけであって、必ずしも更新を認めない、あるいは在留資格を取り消すとされているわけではありません。
これを、今後は厳格化して外国人に社会保険の適正な運用を確保することが推進されることになります。
どれくらいの滞納なら更新不許可あるいは取消しの対象になるのか、このあたりは今後詰めていくということですが、与野党内から激しい反発がある今回の法改正の審議状況を踏まえると、反対派を納得させるための一つの布石のように思えてなりません。
いずれにせよ、当事者となる外国人の方にとっては極めて重要な情報ですので、改めてご自身の公的義務履行状況を見直しておくことをお勧めします。

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【最新】新在留資格の受け入れ業種(コンビ二業)

  • 2018.11.06 Tuesday
  • 17:58

 

前回のエントリーでは、新在留資格において検討されている具体的な受け入れ職種についてご案内しました。

 

日本で働く外国人は現在130万人にのぼるといわれており、

日本で暮らす外国人の総数(約256万人)のうちおよそ半数を占めるわけですが、

“日本で働く外国人”と聞いて思い浮かべる職種のひとつに、

コンビ二エンスストア』の外国人アルバイトを挙げられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特に首都圏では、ここ数年で本当に多くなりましたね。

 

そういった背景からもわかるように、コンビニ業界こそ、外国人従業員を求めている業界に挙げられるはずです。

ところが、先般公表された14種類の業種に、コンビ二業は入っていません。

 

数ヶ月前までは、コンビニ業界も受け入れの要望をしていたようですが、なぜ取り込まれなかったのでしょうか?

 

政府は、その理由を「接客」に求めています。

わたしたちが普通にイメージできるように、コンビ二の仕事は大半が来店した客へ販売等を行う接客です。

このような「接客」に焦点化した仕事だと、一定の技術や技能を求める『特定活動』ビザの趣旨に照らして、適合させるのが難しいというのが、その理由のようです。

 

ところが、同じく「接客」要素が多分に含まれる『外食』産業については、受け入れ検討業種に含まれています。

この違いはいったいなんのか。

 

その答え(答弁)はいまだ明確ではありません。

来年4月の施行はほぼ確実とも言われている中、あまりに不透明な要素が多いのが今回の法改正の特徴といえるでしょう。

 

今後も法案審議の動向を注視する必要があります。

 

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【最新】新在留資格の受け入れ業種

  • 2018.11.01 Thursday
  • 18:55

 

ここ最近話題にあがっている入管法改正・新在留資格の創設について、

現在のところ、14種類の受け入れ業種が検討されています。

(当初は5分野が想定されていたのですが、ここぞとばかりに一気に増えた印象です)

 

報道によると、14種類の内訳は以下のとおりです。

 


 

1、介護

2、ビルクリーニング

3、素形材産業

4、産業機械製造

5、電気・電子情報関連

6、建設

7、造船・舶用工業

8、自動車整備

9、航空

10、宿泊

11、農業

12、漁業

13、飲食料品製造

14、 外食

 


 

改正法案については、自民党の法務部会で反対意見も噴出したようですが、先日なんとか承認を得たようです。

法案は明日(11月2日)にも閣議決定し、臨時国会へ提出される見通しです。

 

正式な受け入れ業種の内訳や要件等については、法案成立後に省令(法務省令)で定めるとのことです。

省令は法律ではないため、国会での審議を経ることなく行政ベースで柔軟に決定することができます。

その反面、受け入れ業種は不明確のままで、ひとまず「大枠」だけ法律で決められることになります。

そのため、野党からはこのような姿勢に批判の声も出ているようです。

 

省令となると、前回のエントリーでふれたようにパブコメにあがることになります。

現在の進捗ですと、早くて年末、遅くとも1月末にはパブコメに具体的な要件等があがるはずです。

 

まずは法案の確認が第一ですが、パブコメからも目が離せなさそうです。

 

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【最新】特定活動告示改正と入管法改正議論の現状

  • 2018.10.23 Tuesday
  • 15:55

 

法務省入国管理局は、特定活動告示等の一部改正案に関するパブリックコメントを2018年10月19日付けで公示しました。

特定活動』ビザとは「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動(入管法別表第一の五)を行うことができる在留資格をいい、2018年10月23日現在で、43種類の活動が法務省告示(特定活動告示)により規定されています。
直近では、今年6月13日の改正により新たに43号(いわゆる日系4世の受け入れ)が追加されました。
このように、『特定活動』ビザは告示により新たに活動内容を追加することができるため、入管法(別表)を改正する必要がありません。
ただ、そうはいっても行政庁の独断で改正することは適切ではないことから、行政運営の公正さの確保と透明性の向上等を目的として、事前に広く一般から意見を募り、その意見を考慮するための制度があります。それが、パブリックコメント制度(意見公募手続制度)です。
今回公示された改正案は、経済産業大臣が認定した外国人起業活動管理支援計画に基づき外国人起業促進実施団体から起業準備活動に関する計画(起業準備活動計画)の認定を受けた特定外国人起業家及びその家族が『特定活動』の在留資格取得を可能とするものです。
同在留資格で認められる活動は、特定外国人起業家が(一年を超えない期間で)本邦において事業の経営を開始するために必要な準備行為を行う活動及び当該活動に附随して行う報酬を受ける活動又は事業の経営を開始した後引き続き当該事業の経営を行う活動とされています。
また、その家族については特定外国人起業家の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動(従前の『家族滞在』ビザと同義)です。
政府は、「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)において、外国人起業家の更なる受入れ拡大に向けて、起業に向けた準備のため最長1年間の在留期間を付与する等の入国管理制度上の措置を講ずるとともに、起業活動実施状況の確認相談体制の構築等の管理・支援施策を実施するなど、起業活動を支援する「スタートアップ・プログラム(仮称)」を本年中に開始することとしています。
そのため、今回の改正は、上記方針を受けたもののようです。
また、今回の告示改正に伴い、特定活動代理人告示及び入管法施行規則(別記様式)も改正される見通しです。
※そのため、特定活動用の各種申請書(U(その他))も近々変更される予定です。
なお、意見提出期間は、公示の日から起算して30日以上とすることが法律で規定されているため、今回のパブリックコメントの意見・情報受付締切日 は2018年11月18日までとされており、告示の公布日・施行日はともに2018年12月下旬の予定となっています。

 

一方で、かねてより話題となっている新在留資格「特定技能1号・2号」の創設のための入管法改正案については、議論が難航しているようです

自民党は昨日(22日)に党本部で法務部会を開催し、入管法改正案について議論を開始したのですが、報道によると、党内をはじめ公明党からも慎重論が相次いでいるとのことです。
政府はもともと明日(24日)召集の臨時国会で改正案を成立させ、来年4月からの新制度スタートを目指していましたが、ここに来て先行きが不透明となってきました。
日本の在留管理行政上極めて重要な転換期となる法案である以上、慎重な議論のもとで進められるべきものと考えますが、制度導入の遅れが市場にもたらす影響も懸念されます。
召集を明日に控え、早くも延長論が浮上する今期の臨時国会ですが、今後の動向から目が離せなさそうです。

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