【最新】新しい在留資格と入管法改正(前編)

  • 2018.08.09 Thursday
  • 18:41

 

労働市場において「人手不足」という言葉をよく耳にするようになりました。

 

日本政府はこの人手不足を解消するための手段として、

外国人材の新たな受け入れを進めています。

 

日本の入管行政では、これまでも多くの外国人の就労を認めており、

現在は約128万人の外国人が日本で働いています。

※そのうち一番多い46万人は永住者等の身分に基づく在留資格、二番手は30万人で留学生等の資格外活動許可によるものです。

 

しかし、これまで就労ビザが認められてきたのは高度で専門的・技術的な分野に限られており、

いわゆる単純就労分野における就労ビザ取得は認められてきませんでした。

 

そのため、人手不足が深刻といわれる建設業や農業、介護等の分野で外国人を雇用しようとしても、

就労ビザは取得できないため、技能実習生として一定期間雇用するか、

活動内容に制限のない永住者等の身分系資格や、留学生等を資格外活動許可の制限内で働かせるしかありませんでした。

 

ところが、そのような状態にも限界が来てしまったようです。

特に建設業等の分野では就業者の高齢化により数年後には定年による一斉退職が懸念されているため、

現場からは「待ったなし」の声が極まりつつあったのです。

 


 

 

そこで、政府はついに単純就労分野での受け入れに大きく舵を切ることにしました。

経済財政運営と改革の基本方針2018』(いわゆる骨太方針)によると、

「従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく」とし、そのために「就労を目的とした新たな在留資格を創設する」とのことです。

 

その新たなビザは、『特定技能』と命名される見通しです。

(これまでも「特定活動」や「技能」「技能実習」というビザが存在しているので、なんだか混同してしまいそうですが…。ビザは短く略称で呼ばれる慣習があるため、「特技」とでも略されるのでしょうか)

 

現在議論されているのは受け入れ分野です。

当初は5つの分野(建設・介護・農業・宿泊・造船)に限定されていましたが、最新の報道によると、さらに金属プレスや鋳造などの金属加工業や飲食業、食品加工業や漁業なども追加し、最終的には15分野ほどに拡大する方向で検討されているようです。

当初5分野の報道を受けて、「それなら我々も!」「私たちも!」と政府への陳情が相次いだことによるようです。

 

そうなると、もうほとんどの産業分野で受け入れが認められるように思われます。

政府は当初5分野の時点で、将来的に50万人超の新規受け入れを見込むとしていましたので、それが一気に15分野に拡がるとなると、優に100万人は超える推算もできるわけです。

 

工事現場はもちろんのこと、飲食店にも、ホテルにも、畑にも漁港にも、若い外国人たちの姿を見る日は遠くなさそうです。

そういった若い労働力が日本の経済社会基盤の維持・活性化のために貢献してくれると思えばとてもありがたいのですが、街の表情が変わるのは間違いなさそうです。

恩恵に期待するばかりではなく、受け入れ側となる私たちにも準備と覚悟が求められているといえそうです。

 


 

さて、それではこの『特定技能』ビザを取得する条件はなんなのでしょうか?

受け入れ分野も確定していない以上、もちろんまだ議論段階なのですが、

現時点では、取得条件として下記2パターンが検討されているようです。

 

ー入れ業種で適切に働くために必要な知識・技能及び日本語能力を有していること。

または

技能実習(3年)を修了していること。

 

,砲弔い討蓮業所管省庁が定める試験や等(日本語能力については日本語能力試験等)によって確認するとされています。

つまり、所定のテストに合格すれば、たとえ学歴・職歴を有していなくても就労ビザが取得できるいうことのようですね。

 


 

この新しいビザは、来年(2019年)4月からスタートします。

政府は来春の制度開始に向け、今秋に想定される臨時国会に入管法改正案を提出する方針といいます。

 

正味あと半年ほどしかないにも関わらずあまりに未確定要素が多いわけですが、入管行政が事実上単純就労へ門戸を開いたことがとても大きな変化であることは間違いありません。

(筆者が行政書士業界に入った頃にはとても想像できませんでした。個人的には、外国人登録制度が廃止された2012年7月改正に匹敵する、もしくはそれ以上にインパクトのある大改正になると思います。)

 

しかし、今回の改正には反対意見も根強く、制度上の担保強化の必要性が主張されています。

次回の後編では、「本当にそんなにたくさん受け入れて大丈夫?」という観点から、もう少し掘り下げて検証していく予定です。

 

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