【最新】新しい在留資格と入管法改正(後編)

  • 2018.08.20 Monday
  • 17:48

 

前回の記事(前編)では、外国人労働者を受け入れるための新たな在留資格や受け入れ分野についてご説明いたしました。


後編では、来年以降急増することが予想される外国人労働者の受け入れにあたり、どのような問題が想定されるのか、また、それに対して政府はどのように対処していく方針なのかについてみていきたいと思います。

 


 

新制度により新たに来日する外国人は、2025年ごろまでに50万人超に上る見込みといわれています。

現行制度で工場や工事現場等で働く外国人は大半が技能実習生なのですが、その総数が現在約27万人ということを考えると、いかに急増するかがうかがい知れます。

 

新在留資格(特定技能)で来日する外国人は、基本的には本国で大学等の高等教育機関(大学等)を出ていない若者たちが想定されます。そのような境遇・年齢から、初めて日本に来る方々が大半であると予想されるのですが、そこで想定される問題として挙げられるのが日本語や日本社会に対する理解不足や受け入れ体制の不備等に起因する生活トラブルや文化的摩擦です。

 

若い働き手として日本で働いてくれるのはありがたいですが、日本で働くということは、当然ながら日本で生活することを意味します。

 

外国人労働者問題についてスイスの作家マックス・フリッシュが語ったという有名な言葉に我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だったという一節がありますが、労働力以前に、外国人(人間)としてどう受け入れるかが重要になってきます。

 


 

 

この問題に対して、政府は出入国管理体制を見直すことで、外国人単純労働者の大規模流入に備える方針を打ち出しました。

 

具体的には、現行の『法務省入国管理』を『入国管理』に“格上げ”することで、入管政策の企画立案機能を高め、厚生労働省等の他省庁と調整する司令塔機能をもたせるといいます。

 

「局」が「庁」になったところで何が変わるのでしょうか?

現行の入国管理局が法務省の内部部局(内局)、つまり法務省の中の一部局であるのに対して、入国管理庁となると法務省からは独立した「外局」となるため、より専門的・強権的で独立性の高い事務を行うことができるようになります。(有名な外局に「特許庁」「文化庁」「気象庁」「公安調査庁」等があります)

 

とはいえ、ハコを変えただけでは意味がありません。

そこで、政府は入管実務にあたる入国審査官や入国警備官の人数も来年度以降段階的に増やし、業務量増加に備えるとしています。

そして、その動きは早くも数字に現れています。

最新の報道によると、人事院は本日(8月21日)、2018年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)に合格したのは7782人で、前年度より577人増えたと発表しました。

筆者は毎週東京入国管理局に出向いていますが、来年度以降、ニューフェイスの新人審査官が増えると思うと、入管の風景も随分と変わるのだろうと想像されるのです。

 

その他の受け入れ体制整備としては、受入れ企業、又は法務大臣が認めた登録支援機関が支援の実施主体となり、外国人材に対して、生活ガイダンスの実施、住宅の確保、生活のための日本語習得、相談・苦情対応、各種行政手続に関する情報提供などの支援を行う仕組みを設けるといいます。

 


 

なお、今回報道で「入国管理庁」と聞いたとき、筆者はどこかで見覚えがあるなと感じたのですが、じつは我が国には過去にも「入国管理庁」が存在したのですね

(古い入管資料を調査した際に目にしたのが印象に残っていたようです)

 

それは、今からさかのぼることじつに67年前…。

 

 

写真は旧外務省外観(出所:「まちかどの西洋館別館・古写真・古絵葉書展示室」)

 

戦前、日本の出入国管理は内務省が管轄していましたが、戦後しばらくは連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の管理下に置かれていました。

しかし、1950年10月に外務省の外局として「出入国管理庁」が設置され、翌1951年11月に同庁が廃止され、同じく外務省の外局として「入国管理庁」が設置されました。

(当時は法務省ではなく、外務省の外局だったのですね!)

 

ところが、その入国管理庁も翌1952年8月には廃止されてしまい、法務省の内部部局へ移行し「法務省入国管理局」として再編され、現在に至ります。

 

わずか9ヶ月間で姿を消した幻の入国管理庁が、70年近く経って法務省外局として復活するわけですね。

 

そう思うと少しロマンも感じますが、現実問題はシビアな表情で目前にせまっています。

入国管理庁が、名実ともにその統率力を発揮することで、適正な在留管理が徹底されるとともに外国人の人権が護られ、私たち日本人と外国人が円滑に共生できるような社会が実現されることを望むばかりです。

 

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