【Q&A】犯罪歴があっても永住ビザがとれますか?

  • 2018.03.22 Thursday
  • 11:38

「じつは過去に犯罪歴があって、罰金を支払ったことがあるのですが、永住申請に影響はありますか?」

刑罰を受けた場合でも、5年以上経過すれば永住申請できると聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?」

 

 

特に車を運転される方で、交通違反経歴がある方等からこのようなご質問を受けることがあります。

また、5年あるいは10年経過していれば犯罪歴が解消?されるといった話をされる方もいるようです。

 

いくら後悔しても、過去のあやまちを消すことはできません。

しかし、日本に長く住んでいるからいつかは永住ビザがほしい。

そのような場合、何をどう気をつけたらいいのでしょうか?

また、5年あるいは10年といった話の根拠はどこにあるのでしょうか?

 


 

永住ビザの条件のひとつに、『素行善良要件』というものがあります。

入管法22条2項1号に規定されていることから、「1号要件」と呼ばれることもあります。

 

「素行が善良であること」について、法務省公表の永住許可に関するガイドラインでは、

「法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること」とされています。

→詳細はコチラ(メインページ)

 

もう少し具体的にみていきましょう。

法務省入国管理局の内部基準(審査要領)では次のように規定されています。

 


 

【素行善良要件】

次のいずれにも該当しない者であること。

 

(ア)日本国の法令に違反して、懲役禁錮又は罰金に処せられたことがある者。

(イ)少年法による保護処分(少年法第24条第1項第1号又は第3号)が継続中の者。

(ウ)日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある者。

 

※ただし、刑の消滅の規定の適用を受ける者又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過し、その後更に5年を経過したときは、これに該当しないものとして扱う。

 


 

上記のうち、まず(ア)に注目してみましょう。

いわゆる前科(犯罪歴)と呼ばれるものですね。

 

参考までにそれぞれの刑罰の内容を紹介します。

懲役は「無期及び有期とし、有期懲役は、1月以上20年以下とする」とされています(刑法11条1項)

禁錮も刑期は上記と同じですが、「所定の作業」(刑務作業)を伴いません(刑法12条1項)

罰金は原則「1万円以上とする」とされています(刑法15条)

 

上記のうち、いずれかの刑(執行猶予を含む)に処せられたことがあると、素行善良要件を満たさないとされます。

それでは、一度刑に処せられたら、永住申請をあきらめるしかないのでしょうか?

 

 

 

大丈夫です。そういうわけではありません。

冒頭の質問にあったとおり、一定期間を経過すれば、永住許可される可能性もあります。

 

キーワードは「10年」「5年」「2年」です。

 

前掲(ア)の「ただし書き」にはこのように記載されています。

もう一度詳しく確認しましょう。

 


 

ただし、刑の消滅の規定の適用を受ける者

又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過し、その後更に5年を経過したときは、これに該当しないものとして扱う。

 


 

刑の消滅」とはいったい何なのでしょうか?

刑法(34条の2)には次のように規定されています。

 


 

禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。

刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。

 


 

5年、10年...といった法的根拠はこの刑法の規定にあるわけですね。

 

実務上よくあるケースは,痢罰金」についてです。

罰金のような財産刑の場合、検察官の命令によって執行するとされています(刑訴法490条1項)

たとえば、交通違反で罰金処分を受けた場合なら、罰金の納付を終えてから罰金以上の刑を受けずに5年を経過すれば、刑の消滅規定の適用を受ける者に該当するため、素行善良要件を満たす(少なくとも(ア)には該当しない)ことになります。

 

 

★ただし、罰金には該当しない場合、たとえば軽微な交通違反歴(1点ケースや反則金等)であっても油断は禁物です。

そのような場合でも、繰り返し行うような状況が認められるときは、上記(ウ)に該当するとして、素行善良性が否定されることもあるからです。

 

犯罪歴”と聞けば、「私には関係ない」と断定しがちですが、上述のとおり永住要件で求められているものは必ずしも犯罪歴だけではありません。

そのため、永住申請に際しては、専門家の意見を踏まえて事前に検討されることをお勧めします。

 

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