【徹底解説】永住ビザの条件ー第5回『各論す餘彭合要件〔特例:前編〕』ー

  • 2017.09.28 Thursday
  • 19:57

前回までのエントリーでご説明したとおり、

永住ビザを取得するためには原則として下記3つの条件をクリアする必要があります。

 

 


素行が善良であること

独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

その者の永住が日本国の利益に合すると認められること


 

上記のうちについては、

その記述内容が曖昧なことから、

永住許可に関するガイドラインにて具体的に下記条件(傍線・太字引用者)が明示されていることを前回ご説明しました。

 


 

ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。

ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること。

ウ 現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

 


 

上記【ア】で規定されているとおり、

外国人が日本で永住ビザを取得するためには、

原則として10年以上日本で暮らした実績をつくる必要があります。

 

しかし、

この条件には「原則として」とあることからお察しのとおり「例外」も存在します。

つまり、一定の条件を満たせば、来日10年未満であっても永住許可されうるということです。

今回はその例外(特例)規定について詳しく解説していきます。

 

この特例について、永住許可に関するガイドラインでは下記のように7通りの条件が列挙されています。

 


 

(1)日本人,永住者及び特別永住者の配偶者の場合,実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること

(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

(3)難民の認定を受けた者の場合,認定後5年以上継続して本邦に在留していること

(4)外交,社会,経済,文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で,5年以上本邦に在留していること

 ※「我が国への貢献」に関するガイドラインを参照して下さい。

(5)地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において,出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い,当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合,3年以上継続して本邦に在留していること

(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。)に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア  「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ  3年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令
 に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。

(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア  「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ  1年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令
 に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。

 


 

 

上記のうち(1)がもっともオーソドックスなケースで、

日本人・永住者の配偶者(夫・妻)及びその実子等の場合は、

条件つきでわずか1年以上の日本在留実績で永住が認められるという規定です。

(そのため、「簡易永住許可」といわれています)

 

たとえば、

外国人男性が日本人女性と海外で結婚し、

2年間海外で婚姻生活を続けた後に来日した場合、

通常は来日後10年以上の在留実績を要するところ、1年以上の継続在留で足りるということです。

 

ただし、

ここで注意したいのが実体を伴った』婚姻生活が必要であるという点です。

上記のとおり、日本人等の配偶者の場合、最短1年の在留実績で永住許可されることから、

形式面のみ夫婦関係を保ち、永住許可後、すぐに離婚してしまうケースも残念ながらあるようです。

ですから、戸籍上は夫婦でも、実際は長期間別居していたり、夫婦関係が破綻しているような場合は、

実体を伴っていないとされ、この特例が適用されないこともありえます。

 

そもそも、この特例規定の趣旨は、

日本人等の配偶者や実子は、もともと日本国内に生活の本拠を有していることから、

家族単位で安定した生活を営むことができるようにするのが相当であるとの点にあるとされています(既出逐条解説参照)

その趣旨から考えると、

ちゃんと夫婦として真正に成立しており、

夫婦そろって日本に生活基盤を有している必要があるというのは当然なことです。

 

また、

上記(2)にあるように「定住者」に対しても一定の緩和措置がとられていますが、

これも趣旨としては前記(1)と共通するものと考えていいでしょう。

日本との結びつきがもとから強いわけなので、永住許可のハードルも少しさげてあげましょう、

ということですね。

 

なお、(3)の趣旨については、

難民救済という国際的な要請や日本における法的地位の早期安定化があると考えられます。

 


 

 

以上、ここまでは国益適合要件(居住要件)の特例のうち、

(1)〜(3)までを見てきましたが、

続く(4)〜(7)は少しその毛色が異なるようです。

 

試みに、(4)を瞥見してみましょう。

「外交,社会,経済,文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者」は、

わずか5年の在留実績で永住許可を認められています。

つまり、

日本の発展のために活躍してくれた外国人は、

通常よりも早く永住を許可してあげるよ、という規定です。

 

この規定の奥には、

日本にとって有益な外国人には、早く日本に永住してもらい、

将来にわたって末永く日本国に貢献してほしい、といった国の思惑が透けて見えるようです。

 

すなわち、

(4)〜(7)は前半に比べてより政治的・政策的色彩が強い規定になっているのです。

 

 

こうして見ると、

『永住者』という在留資格は、

単に在留期限がなく、活動に制限がない便利なビザというだけではなく、

日本国・日本政府にとってもその政策上、

とても大きな意味をもつビザであるということがわかりますね。

 

前回のエントリーの最後にも触れましたが、

最近(平成29年4月26日)のガイドライン改定で上記のうち(6)(7)が新たに加わったことにより、

その政策的側面が更に表面化してきたように感じられます。

 

 

このあたりはなかなか奥が深くて興味深い部分でもあるので、

稿を改めてもう少し掘り下げみたいと思います。

 

次回は前記(6)(7)を中心に、

その趣旨や実情等を紐解いていく予定です。

 

 

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