東京出入国在留管理局(以下、東京入管)における永住許可申請の審査期間が再び長期化しています。
今年前半頃の平均的な審査期間は7ヶ月程度でしたが、現時点(2023年12月下旬)で、東京入管永住審査部門が一般にアナウンスしている審査期間の目安は約10ヶ月〜11ヵ月とのことで、急激に長期化していることが分かります。
個々の事案状況により変動はあるものの、実際当法人で取り扱った永住許可案件についてもほぼアナウンス通りの時間を要しており、現時点(2023年12月下旬)で、今年2月に申請した方の結果通知がちらほら届き始めているという状況です。(2月申請で、まだ結果待ちの方も多くいらっしゃいます。)
この半年間の状況を考えると、これから申請する案件についてはさらに審査期間が長期化する可能性もあり、引き続き情勢を見守っていく必要がありそうです。
なお、永住以外の在留審査の平均処理期間(日数)については、四半期ごとに入管が公表しており、こちらも以前よりやや長引いていることがうかがえます。
また、帰化許可申請についても、東京をはじめとする首都圏では非常に混雑しており、すぐには法務局の面談予約が取れない状況となっています。
帰化をご検討の方も、永住同様、お早目に計画・準備されることをおすすめいたします。
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]]>2023年4月、高度専門職ビザについて、新たな政策の運用が開始されました。
これまでの「高度専門職」に加えて、「特別高度人材」が加わります。
これに伴い、「高度専門職」に該当するような業務に従事している場合、
高度学術研究活動、高度専門・技術活動の場合:
1,修士学位以上+年收2000万円以上→1年で永住申請可能
2,実務経験10年以上+年收2000万円以上→1年で永住申请可能
高度経営管理活動の場合:
(経営者・管理者としての)実務経験5年以上+年收4000万円以上→1年で永住申請可能
となりました。
但し、学歴、職歴、収入は、永住申請のいくつかの条件のうちの一部分にすぎません。
これ以外に、年金や保険等の適正な納付、犯罪歴が無いこと等、永住申請は申請者の状況を総合的に審査されます。
上記の条件は、普通であれば10年日本に在住しなければならないところ(これを居住要件と言います)、
上記条件を満たせば、1年で申請できるというものです(居住要件の緩和)。
申請できるというだけで、許可されるというものではありませんので、ご注意ください。
]]>永住許可事例をご紹介します。
在留資格:技術・人文知識・国際業務
高度専門職ポイント表計算:80点以上
申請日:2021年9月下旬
許可日:2022年4月上旬
1,申請人は「技術・人文知識・国際業務」ビザを持っていますが、高度専門職ポイントで計算すると80点以上になるため、
高度専門職の特例要件で永住申請を行いました。
※なんの在留資格を持っているかに関係なく、高度専門職の要件を満たしていれば、高度専門職のビザを持っていなくても永住申請ができます。
2,申請人はA社でビザを取得し、同時にB社で副業し、C社から業務委託を受けています。
入管は、A社に電話で、申請人の副業について同意してるかどうかを確認し、A社は同意している旨の回答を行いました。
もし同意していないという回答であれば、永住ビザは不許可になった可能性が高いです。
※副業は”資格外活動”であるとは限りません。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている人が、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の範囲外の活動を行う場合が”資格外活動”であって、副業が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動であれば、”資格外活動”にはなりません。
3,永住申請中に転職し、A社を退職してC社で社員として就職しました。
※転職が永住申請に影響するかですが、全体の状況を総合的にみて判断されます。
]]>
ここ数年、長期化傾向にあった東京出入国在留管理局(以下、東京入管)における永住許可申請の審査期間ですが、この1年ほどは逆に短縮している状況です。
以前こちらでもご紹介したとおり、当法人で取り扱った永住許可案件については、2020年時点で、申請受付から結果を受け取るまで、平均9〜10ヶ月ほどかかっていました。
それが、2020年後半から昨年にかけて取り扱った案件では、おおむね6ヶ月前後で結果が出ています。
(もちろん案件によって差はあり、6ヶ月を待たずに結果が出るケースも、逆に8ヶ月以上かかるケースもありますが)
入管では毎年、地方出入国在留管理局管内別の受理及び処理人数の統計を公表していますが、それを読み解いてみると、2020年の永住許可申請受理件数は前年の2019年に比べて全国で約8%減、東京管内だと約11.4%減となっていますので、純粋な処理件数の減少も影響していと考えられます。
(2021年分の結果は現時点でまだ公表されていません。)
加えて、水際対策による入国制限に伴い、空港などの人員も一部永住許可審査の応援に回っていた様子がありましたので、そうした要因も短縮に一役買っていたのかもしれません。
(当社でも東京本局で申請した案件の追加資料通知が東京管内の地方出張所から送られてくる事例がいくつかありました)、
今後、水際対策が緩和されていった場合、在留資格審査期間へどのような影響をもたらすのか、はたまた影響は出ないのか、何か変化が見られたらこちらでもまたご紹介していきたいと思います。
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]]>新型コロナウイルス感染拡大で、日本に在留する皆さんの状況にも少なからず影響が出ていることと思います。
一時帰国のつもりで出国したものの、本国が上陸拒否対象地域に指定されてしまい、なかなか帰国がかなわなかった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なかには、再入国期限までに再来日できず、在留資格がいったん途切れてしまったというケースも耳にしました。
ご存知のとおり、永住許可申請を行うには原則10年の継続在留が必要ですが、このような場合、「継続在留」として認めてもらえるのでしょうか?
入管は2020年11月1日付で、下記のようなアナウンスを出しています。
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『「永住許可に関するガイドライン」における「継続在留要件」の取扱いについて』
新型コロナウイルス感染症の影響により、再入国許可又はみなし再入国許可の有効期間内に再入国できず、一度在留が途切れた期間がある方が本邦入国後に改めて永住許可申請を行う場合において、以下に該当するときは、当分の間、「永住許可に関するガイドライン」との関係では、当該期間についても継続して本邦に在留していたものとみなします。
○再入国許可又はみなし再入国許可の有効期間の満了日が、2020年1月1日から入国制限が解除された日の6か月後までであり、かつ、入国制限が解除された日から6か月以内に入国した方
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上記のような場合には、永住許可申請時、通常の書類に加え、「申立書」を提出するよう案内されています。
上記のようなケースに該当する方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
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永住や帰化のお問合せをいただいたとき、最初に確認させていただく条件のひとつが「年金に加入しているかどうか」です。
永住も帰化も、年金に関する資料の提出が必須ですので、年金未加入の場合まず許可の望みはないと考えていいでしょう。
では、年金に加入さえすればそれでOKかというと、残念ながらそう簡単にもいきません。
審査する側の立場からすると、
「この人はこれからもずっと年金を期限どおり払ってくれるのか?」
という視点になりますから
「先月加入したからいいでしょう?」
「しばらく滞納していたけど、申請前にまとめて払ったからいいでしょう?」
と言われても、すんなり「OK!」とはなりませんよね。
「この人なら、きっとこれからも期限通りしっかり年金を払ってくれるだろう」と思ってもらえるためには、どうしてもある程度の実績が必要になってきます。
永住も帰化も、明確な基準をオープンにしているわけではありませんので、あくまで目安にはなりますが、最低でも直近の2年間、期限通り納付していないと厳しいでしょう。
(国民年金の方の場合は、期限通り納付していることを証明するため、年金保険料の領収証書写しを提出しなければならないので、領収書もしっかり保管しておきましょう)
ご自身の年金加入状況が自分でもよく分からないという方は、年金事務所で確認するか、日本年金機構が提供しているオンラインサービス「ねんきんネット」に登録するのがおすすめです。
永住申請では、年金の加入状況を証する資料として、ねんきんネットの印刷画面を提出するため、申請する場合はいずれにしろ登録が必要となってきますので、早めに登録してご自身の状況を把握しておくとよいでしょう。
ちなみに上述の2年というのはあくまで目安で、それ以前の加入実績等にまで審査が及ぶ可能性も大いにあるため、もし加入漏れや納付遅れなどがわかった場合は、年金事務所に相談のうえ、さかのぼって納付するなど、早めに対処しておくことをおすすめします。
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]]>そんな方によく聞かれるのが、申請まで待つ間、何か気を付けたほうがいいことはありますか?という質問です。
そんな時、皆さんにまずお伝えするのは、各種ルールの遵守です。
帰化・永住ではどちらも「素行要件」といって、法律を遵守し、日常生活において社会的に非難されることのない生活を営んでいることが要件となるからです。
税金や年金・保険料を期限どおりきちんと納めているか?交通違反を繰り返していないか?など守らなければならないルールは色々ありますが、忘れがちなのものの一つが「所属(契約)期間に関する届出」です。
この届出は平成24年(2012年)7月の入管法改正法の施行以降義務化されたもので、就労ビザや留学ビザなど、所属機関の存在が在留資格の基礎となっている方が、その所属機関に変更が生じた場合、14日以内に入管に届出をしなければなりません。
※「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」などの在留資格を持っている方のうち、配偶者としての身分が在留資格の基礎となっている方が、配偶者と離婚・死別した場合にも同じく届出が必要です(「配偶者に関する届出」)。
就労関係のビザをお持ちの方は、転職・退職・再就職のほか、会社の名称変更・所在地変更の際にも届出が必要ですので、忘れないように気を付けましょう。
届出は入管のホームページからオンラインでも行うことができます。
(下記各ページの「届出先」欄からオンラインページにアクセスできます)
(高度専門職1号イ又はロ(注3),高度専門職2号(イ又はロ)(注4),研究,技術・人文知識・国際業務,介護,興行,技能,特定技能)
(教授,高度専門職1号ハ(注1),高度専門職2号(ハ)(注2),経営・管理,法律・会計業務,医療,教育,企業内転勤,技能実習,留学,研修)
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昨年(令和元年)10月時点で、東京入管永住審査部門が一般にアナウンスしている審査期間の目安は約10ヶ月とのことでした。
昨年(令和元年)7月1日より、提出書類が大幅に増大したことも影響していると考えられますが、さらにここ数ヶ月間の新型コロナウィルス感染拡大もあり、最近は審査にいったいどの程度の時間を要しているのか、気になっている方も多いと思います。
当法人で取り扱った永住許可案件について言えば、現時点(令和2年7月時点)ではほぼこれまで通り、申請受付から9〜10ヶ月ほどで結果連絡を受け取っています。
ただ、新型コロナウィルス感染拡大で、入管の人員配置等も影響を受けている可能性があり、現在審査中の案件や、これから申請する案件についてどの程度の時間を要するのかは、引き続き情勢を見守っていくしかなさそうです。
ちなみに今入管では、感染拡大防止の観点から、在留申請窓口の混雑緩和策を講じており(在留申請受付期間の猶予など)、永住許可申請についても、感染拡大防止の観点から、状況が改善してから申請するように呼び掛けています。
当社にご依頼いただいた案件については、担当行政書士が複数案件を取りまとめて申請しており、上記の混雑緩和策に影響しないこともあってか、今も通常どおり受付されております。
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]]>解雇、雇い止め、自宅待機等になった外国人の方の在留資格について、
2020年4月30日付けで出入国在留管理庁よりお知らせが出ています。
?雇用先から「解雇」又は「雇い止め」の通知を受け、就職活動を希望する方
?雇用先から待機を命じられ、復職を希望する方
?雇用先から勤務日数・勤務時間の短縮を命じられ、引き続き稼働を希望する方
?上記の?か?に準じる方
→現に有する在留資格のまま在留が認められます。
※資格外活動の許可も可能です。(下記の<資格外活動許可について>も参照)
上記?〜?の状態のまま在留期間を迎える方
→「特定活動」の在留資格(就職活動)への変更が認められます。
※雇用先のつどうにより当該状況にあること証する文書の提出が必要です。
※資格外活動の許可も可能です。(下記の<資格外活動許可について>も参照)
<注意>
在留期限が到来する時点で、残りの待機期間が1ヶ月以内の場合、又は
勤務時間短縮で稼働していて、勤務時間>待機時間の場合は、
「特定活動(就職活動)」に変更することなく、現に有する在留資格のまま
在留資格の更新が可能です。
※但し、在留期間が「1年」になります。
また、上記事情により「特定活動(就職活動)」に変更した後、復職等することになった場合、
速やかに、在留資格変更許可申請を行う必要があります。
<資格外活動許可について>
待機期間中や勤務短縮期間中に資格がい活動許可申請を行う場合、
受け入れ機関(勤務先)から資格外活動を行うことについての同意を得ている必要があります。
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]]>
先日(令和2年1月6日)より、就労ビザの申請に係るカテゴリー区分が大幅に改定されました。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00089.html
法務省・出入国在留管理庁は、従前より、外国人材の招聘機関(企業等)を規模や性質に応じて4つのカテゴリー(カテゴリー1〜4)に区分し、審査の厳格さや提出書類の量に差異を設けて運用してきました。
カテゴリー4(新設会社等)からカテゴリー1(上場企業等)に数字が下るにつれ、提出書類が簡素化される設計になっており、
特に、カテゴリー1及び2は、各種証明書類(学歴・職歴証明や決算書等)が原則不要になるなど、手続き上の優遇措置がとられるとともに、審査期間も短縮する傾向にあります。
★今般の改定で、カテゴリー1及び2の対象企業の範囲が大きく拡大することとなりました。
審査上もっとも有利とされるカテゴリー1の対象企業は、これまで上場企業や公共・共益法人等のごく一部に限られていましたが、
今般より厚労省所管の「ユースエール認定企業」、「くるみん認定企業」「安全衛生優良企業」等も新たに加えられました。
また、次いで有利とされるカテゴリー2の対象企業は、これまで所定の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人(従業員がおよそ80〜100人規模)とされていたのですが、
今般より、1,000万円以上にハードルが引き下げられました。
外国人を雇用予定の対象企業にとっては、実質的な要件緩和とも評価できるため、大きなアドバンテージになろうかと思われます。
なお、上記のとおり厚労省所管事案が入管行政に組み込む動き(例えば、技能実習・特定技能制度等)が近時多く見られるため、
外国人・日本人問わず、労働環境が整っている企業をバックアップしようという大きな潮流が背景にあるもの推測されます。
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前回のエントリーでご紹介したとおり、今年4月からスタートした特定技能制度による外国人材の受入れは思うように進んでいないようです。
一方で、いわゆる高度人材に該当する就労ビザ(『技術・人文知識・国際業務』等)を取得して日本企業等に就職する外国人の数は大きく伸びています。
出入国在留管理庁(以下、入管庁)は、今年10月のプレスリリースで、「平成30年における留学生の日本企業等への就職状況について」と題する広報資料を公開しました。
それによれば、平成30年に留学生が日本の企業等へ就職するために行ったビザ変更手続き(在留資格変更許可申請)対して処分した数は30,924人で、うち許可数は25,942人でした。前年(処分数27,926人/許可数22,419人)と比べ、処分数は10.7%、許可数は15.7%と大きく伸長する結果となりました。
上記は、既に日本に在留している留学生の就職についてですが、ここで注目したいのでは、新たに来日して(これからビザを取得して)日本の企業等に就職する外国人材も急増しているという点です。
入管庁が、同月に公表したプレスリリース「平成30年における日本企業等への就職を目的とした在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係る在留資格認定証明書交付状況について」によれば、平成30年に日本の企業等に就職するために『技術・人文知識・国際業務』に係る在留資格認定証明書の交付を受けた外国人は41,510人で、前年比38.1%も増加しました。
在留資格認定証明書は、原則として外国人が新たに入国する場合に必要な書類ですので、留学生がそのまま日本企業に就職するケース以上に、(例えば海外の大学を卒業した外国人などが)新たに来日して日本企業等で働くケースが増えていることがわかります。
多くの優秀な外国人の方々に、日本で働く道を選んでいただくことはとても嬉しいことだと思います。
一方で、入社後にトラブル(言語的・文化的問題や労働問題等)に巻き込まれる事例も報告されているため、外国人材を含めたすべての従業員にとって、安心して働ける環境づくりが一層求められているのはないでしょうか。
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今年4月に改正入管法が施行され、「特定技能」制度が開始されてから半年以上が経ちました。
同制度は、今後5年間で最大約34万人の外国人労働者を「特定技能」の在留資格で迎え入れ、人手不足を解消することを目的としてスタートしました。
制度開始にあたって、政府・法務省入国管理局(当時)は、初年度(つまり令和元年度)に約4万人の受入れを見込むとしていましたが、実際の受入れ状況はどうなっているのでしょうか。
★入管庁のまとめによると、2019年10月18日時点で、在留資格「特定技能」の取得者は計616人で、分野別にみると飲食料品製造業が191人ともっとも多く、次いで農業の121人が続く形となっています。
ゆるやかなスタートとなったことを踏まえても、当初の受入れ見込みと比してあまりにも乖離がある印象を受けます。
受入れがなかなか進まない理由としては、手続きの煩雑さ、試験実施の遅れ等が挙げられますが、
制度活用の効果が見えにくい等の事情により、企業の多くが足踏み(様子見)状態であることも指摘されています。
一方で、特定技能1号外国人に対してあらゆるサポートをすることを目的とする「登録支援機関」の登録件数は、2019年10月31日時点で2,893件と大きく伸長しています。
本制度においては、この登録支援機関の働きぶりが注目されるところなのですが、対象となる特定技能外国人の受入れが進まない限り、その活躍の場も限られてしまうものと思われます。
なお、法務省は特定技能外国人の最新の受入れ人数を四半期(3か月)ごとに公表することになっていますので、最新の受入れ状況はここで定期的に確認することが可能です。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00215.html
また、登録支援機関の登録状況も随時更新され、公表されています。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00205.html
今年度も残すところ5ヶ月となりました。
今般の法改正の目的である‟人手不足の解消”が業界レベルで実感できるのは、まだまだ先となりそうです。
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ここ1〜2年(特に今年4月以降)、東京出入国在留管理局(以下、東京入管)における永住許可申請の審査期間が長期化傾向にあります。
その発端は、昨年のエントリーでご紹介したとおり、平成29年4月26日付けの「永住許可に関するガイドライン」改定によるところが大きいと思われますが、それに追い打ちをかけるように、平成31年4月1日の改正入管法施行及び令和元年5月31日付けの同ガイドライン改定、同年7月1日の提出書類の増大等により審査実務が圧迫されたことも要因として考えられます。
現時点(令和元年10月24日現在)において、東京入管永住審査部門が一般にアナウンスしている審査期間の目安は約10ヶ月とのことです。
もちろん、個々の事案状況により変動はあるものの、実際に当法人でここ最近取り扱った永住許可案件をとってみても、早くて7ヶ月、多くは9ヶ月前後を審査に要しているケースが多いようです。
少しでも早く永住ビザを取得したいお気持ちもよくわかりますが、永住ビザは日本社会の終身的な構成員として重要な地位を占める在留資格なので、その審査は厳格かつ適正に行われるべきものです。
したがって、東京入管管轄で永住許可申請をされる方は、上記目安期間を参考に、計画的かつ現実的な申請スケジュールを組まれることをお勧めします。
具体的なスケジュールや許可要件等についてご相談をご希望の方は、お気軽にお問合せください。
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8月21日、出入国在留管理庁は在留資格取消件数について最新のプレスリリースを公表しました。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri10_00057.html
平成30年に在留資格の取消しを行った件数は832件で、
前年に比べ447件(116.1%)増加となり、過去最多となりました。
在留資格別にみると、「留学」が412件(49.5%)と最も多く,
次いで、「技能実習」が153件(18.4%)、「日本人の配偶者等」が80件(9.6%)となっています。
また、入管法上、取消事由は22条の4第1項1号〜10号までの計10パターンが規定されていますが、
最も多いのは5号(3か月以上活動を行っていないもの)とのことで、
次いで4号(いわゆる専従資格外活動)、2号(偽りその他不正の手段による在留資格取得)となっています。
取消事由のうち、3号〜10号(5号については例外あり)該当者の場合、任意の出国機会が付与されるため、原則として上陸拒否事由には該当しませんが、
1号・2号(及び所定の5号)該当者は即退去強制手続きに移行するため(24条2の2号、2の3号)、原則5年の上陸拒否事由に該当します(5条1項9号ロ)。
★そして、この取消しの対象者は、「永住者」も例外ではありません。
実際に、平成30年では過去最高の25名の永住者がその在留資格を取り消されています。
そのうち、16名と取消事由としてもっとも多いのは旧3号(現2号)に基づくもの(「偽りその他不正の手段」により許可されたもの)です。
すなわち、申請人が故意に(=わざと)、偽変造文書や虚偽文書の提出等(いわゆる虚偽申請)を行ったことにより永住許可を取得し、永住許可後にその事実が判明したことにより、取り消されたケースが大半となっています。
なお、同号に該当するとして永住ビザが取り消された具体的事例としては、下記が紹介されています。
在留資格「永住者」をもって在留する者が,当該永住許可申請をした時点で,日本人配偶者との婚姻の実態がないにもかかわらず同居をしている旨申請書に記載するなどして,永住許可を受けた。
永住ビザも「永住者」という在留資格のひとつである以上、永住ビザが取得できれば絶対に安泰、というわけではありません。
上記のとおり、取消事由によっては、永住ビザを失うのみならず、退去強制の対象となり、上陸拒否事由により再来日すらできないという事態につながりかねません。
当然ながら、事実に基づいた真正な書類により、適正な申請手続きを行うことが重要です。
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前回のエントリーでご紹介したとおり、永住ガイドライン改定に伴い、申請に必要な書類が大幅に増加しました。
7月1日の運用開始から1か月が経ち、改定後の審査動向も少しずつ明らかになってきました。
なかでも、下記のとおり住民税課税・納税証明書が直近3年分から直近5年分に加重されたことにより、いわゆる独立生計要件(入管法22条2項2号)の運用動向が注視されていました。
・直近(過去5年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料 ※従前は過去3年分
ア 直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通
イ 直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し,領収証書等)
すなわち、従前は直近3年間における収入状況(及び扶養状況)が主な審査対象であったところ、改定後は4〜5年前の収入状況等も考慮のうえ、許否が決定されるのか否かという点が必ずしも明らかではありませんでした。
提出を求める以上、審査対象になると考えるのが自然ではあるものの、独立生計要件は、あくまで「日常生活において公共の負担にならず,その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。」(ガイドラン、審査要領)であるため、直近3年間において安定した生計を維持している者が、4〜5年前において収入が低調だったことを理由に、「将来」における安定した生活が否定されるということに合理性があるのか、という点に疑問がありました。
この点について、入管局の実務運用によれば、独立生計要件においても、原則として過去5年分の収入が審査対象となるとのことでした。
したがって、たとえば、ここ3年間は安定した収入を維持できていたものの、4〜5年前において何等かの事情(転職、休職、産・育休等)で収入が低調だった場合、それを理由として独立生計要件を満たさないと判断されることもありうるということになります。
独立生計要件は、基本的には住民税課税証明書等に記載された年収額(すなわち、金額という数字)で客観的・一律的に認定することが可能であるため、国益適合要件に比べると、要件的評価における裁量の幅はさほど大きくないと考えられます。
そうなると、収入低調の事情等について説明・弁明を述べたとしても、欠陥を補うのは容易ではないと思われます。
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先般当ブログでご紹介したとおり、『永住許可に関するガイドラン』が改定され、主に公的義務履行に関する審査の厳格化が見込まれていました。
この点について、今般永住許可申請に際する必要書類が更新され、法務省HP上で公表されました。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_EIJYU/zairyu_eijyu03.html
これによれば、従前と比べて主に下記点が加重されています。
・直近(過去5年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料 ※従前は過去3年分
ア 直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通
イ 直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し,領収証書等)
・国税の納付状況を証明する資料 ※従前は提出不要(以下同様)
源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税に係る納税証明書(その3)
・直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料
次のア〜ウのうち,ア又はイの資料及びウの資料の提出が必要。
ア 「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもの)
イ ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
ウ 国民年金保険料領収証書(写し)
・直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
ア 国民健康保険被保険者証(写し)
イ 健康保険被保険者証(写し)
ウ 国民健康保険料(税)納付証明書
エ 国民健康保険料(税)領収証書(写し)
・申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合
次のア又はイのいずれかの提出が必要。
ア 健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)
イ 社会保険料納入確認(申請)書(未納の有無を確認する場合)
上記運用は令和元年7月1日(月)以降の申請から適用されるとされています。
(それ以前に申請した場合でも、審査の過程において追加で提出を求められる可能性があります)
なお、上記は「申請人の方が,就労関係の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」,「技能」など)及び「家族滞在」の在留資格である場合」の必要書類を抜粋したものですが、
その他の「申請人の方が,「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の在留資格である場合」「申請人の方が,「定住者」の在留資格である場合」「申請人の方が,「高度人材外国人」であるとして永住許可申請を行う場合」でも同様に加重されているため注意が必要です。
今後永住申請を行うにあたっては、今般のガイドライン改定の趣旨を踏まえ、今まで以上に慎重な事前確認・準備をすることが求められます。
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登録支援機関の登録数は、2019年6月7日現在で462件となっています。
※法務省HPにて最新の登録状況を確認できます。
申請件数は1,000件を超えているようなので、今後も随時増加していくものと思われます。
一方で、東京入管の担当窓口によれば、「特定技能」の在留資格が許可されたのは、現時点でまだ若干数とのことですので、おそらく、多くてもまだ10件前後〜数十件程度にとどまるものと推測されます。
しかし、先般、飲食店分野を中心に技能試験の合格発表があり、既に数百名の合格者が出ているので、7月以降、新たな特定技能外国人が誕生すると考えられます。
なお、法務省は年に4回のペースで特定技能外国人の受入状況を公表するとしていますので、入管法で定められている定期届出のうち、改正後初回となる「第2四半期」(4月1日〜6月30日)のタイミングを考えると、7月下旬頃をメドに統計結果が公表される見通しです。
上記の特定技能外国人に限らず、今後、就労・生活を目的として日本に入国する外国人のさらなる増加が見込まれます。
そこで、出入国在留管理庁は、先般、外国人生活支援ポータルサイトを開設しました。
その中のコンテンツとして、『生活・就労ガイドブック』が公開されています。
これは、総合的対応策の中に盛り込まれた施策(施策番号9)のひとつで、日本での生活・就労のために必要な基礎的情報(在留手続・労働関係法令・ 社会保険・防犯・交通安全等)について省庁横断的にまとめられた冊子です。
総合的対応策によれば、上記ポータルサイトで発信するほか、「在外公館、在日外国公館、空港、地方公共団体、 企業、学校等で配布するなど、国内外で幅広く提供する」としています。
また、「対応言語については、 11 か国語を目途に多言語化を進める」とされていますが、現時点で、英語版はリリースされているようです。
外国人に理解してもらう前に、まずは受入機関(企業等)がこの内容をしっかりと把握することが重要に思われます。
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以前、当ブログでもご紹介したとおり、永住許可に関するガイドラインの改定案がパブリックコメントに掲載されていましたが、5月31日付けで結果公示・公布されました。
今回の改定は、入管法改正により在留資格「特定技能」が新設されたことに伴い、同ガイドラインに同在留資格の取扱いを明記するとともに、同ガイドラインの内容の明確化を図ることを趣旨としていますが、公的義務の履行について、より詳細な文言が盛り込まれていることから、実質的には厳格化されたものと解されます。
パブコメには、15件のコメント(意見)が寄せられており、公的義務の内容については、意見を踏まえて記載が修正されました。
寄せられたコメントに対する法務省当局の考え方の中で特に重要と思われるのが、税金に関する見解です。
審査対象となる「税金」の範囲について、下記見解が示されています。
地方税として住民税,国税として,?源泉所得税及び復興特別所得税,?申告所得税及び復興特別所得税,?消費税及び地方消費税,?相続税並びに?贈与税について納税状況を確認する予定です。
従前は、主に住民税の納税状況を「住民税納税・課税証明書」等で確認されてきましたが、今後は上記国税の各税目についても、何等かの証明資料の提出が求められるのでしょうか?
詳しい提出書類については、法務省のホームページで案内するとされています。
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以前、パブリックコメント掲載時点で当ブログでご紹介しましたが、
留学生が就職可能な業種の幅を広げるための特定活動改正告示が、30日付けで公布されました。
パブリックコメントでは、37件の意見がありましたが、
パブコメ掲載段階から変更なく、下記条件のもと、『特定技能』46号で就労が可能になります。
1、常勤の従業員として雇用され,本邦の大学又は大学院において修得した知識や能力等を活用することが見込まれること。
2、本邦の大学(短期大学を除く。)を卒業し,又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと
3、日本人と同等額以上の報酬を受けること
4、高い日本語能力を有すること(試験又はその他の方法により,日本語能力試験N1レベル等が確認できること)
※ただし、風俗営業活動や、法律上資格を有する者が行うこととされている業務(業務独占資格を要する業務)については従事不可。また、大学・大学院において修得した知識や能力を必要としない業務にのみ従事することはできない。
また、『特定活動』46号の配偶者等については、同じく『特定活動』47号によって帯同が可能となります。
※『家族滞在』ではないのでご注意ください。
改正告示の文言によれば、サービス業務や製造業務等、これまでの『技術・人文知識・国際業務』等の在留資格では専従が認められなかった業種・領域においても、『特定活動』46号で就労が可能となります。
そうなれば、留学生が活躍できる就労場面は一気に広がることなります。
具体的な活動内容等については、ガイドラインで示すことを検討しているとのことなので、どこまで対象が広げられるのか、おおいに注目されます。
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特定技能に係る新制度がスタートし、まもなく2か月が経とうとしています。
登録支援機関の登録件数も少しずづ増え始めているため、来月以降、新制度が本格稼働していくものと推測されます。
一方、主に新試験ルートによる受入れが想定されている「介護」「宿泊」「外食」の3分野については、既に試験も開始されていますが、受験者数や試験実施回数の制限等の問題もあり、当初の見込みどおり受入れが進むかは不透明な状態です。
そのような中、出入国在留管理庁と「宿泊」分野を管轄する厚生労働省は、技能実習2号移行対象職種に「宿泊」を追加するとする技能実習法施行規則改正案についてパブリックコメントを掲載しました。
これにより、「宿泊」職種で技能実習生として3年間働けば、無試験で特定技能1号に移行できるようになります。
現在(平成31年3月14日時点)で、移行対象職種・作業は80職種144作業ですが、「宿泊」が加わることで、81職種145作業となります。
技能実習制度と特定技能制度は、根拠法令や趣旨が異なる別個の制度であるものの、実際は地続き的な関係にあります。
技能の国際移転を目的とする技能実習制度が、いつの間にかプレ特定技能(特定技能0号)のようになっているといった印象を受けます。
今後、このような動きは他の分野においても出てくることが予想されます。
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令和元年を迎え、改正入管法に伴う動きも徐々にその速度を増してきています。
GW直前の4月26日付けで、法務省は「登録支援機関」の登録簿(第一弾)を公表しました。
4月26日現在の登録件数は8件で、個人や法人、北は宮城県、南は鹿児島県まで、多様な顔ぶれとなっています。
機関の職種(属性)としては、当初の見込みどおり、行政書士事務所や人材紹介・派遣会社、事業協同組合等が多いようです。
報道によれば、同月19日までに1,176件の申請が受け付けられているとのことなので、今月下旬以降、本格的に審査が進むにつれ、一気に登録件数が伸びるものと思われます。
他方、法務省は同日付けで『出入国在留管理基本計画』を策定・公表しました。
本計画は、以前、パブコメの段階で当ブログで紹介したとおり、入管行政の基本的な考え方を内外に示し、的確に対応していくために策定されたもの、いわば「道しるべ」です。
パブコメを反映して一部修正が加えられましたが、永住ビザに関する事項については変更はありませんでした。
(下記に原文を引用します)
(5)永住許可の在り方の検討
近年,我が国に在留する外国人は増加しており,それに伴い,永住者と
して我が国に在留する外国人も増加し続けているところ,2018年12
月に成立した入管法等改正法に係る参議院法務委員会の審議において,永
住許可申請に対しては,厳格に審査を行うべきとの附帯決議がなされてい
る。
今後も,我が国に在留する外国人が増加し続ける中で,入管法等改正法
の附則規定に基づく2年後の見直しも見据え,在留活動に制限がなく,か
つ,在留期間にも制限のない在留資格「永住者」について,その在り方を
検討していく。
ご存知のとおり、「永住者」の在留資格は活動及び在留期間に制限のない、もっとも安定的な在留資格(法的地位)です。
そのため、永住審査においてはこれまでも厳格な運用がなされてきましたが、今後はより慎重かつ厳正な審査が行われることとなります。
本計画においてその具体的な方針や基準などは明記されていませんが、近々、『永住許可に関するガイドライン』が改定される見込みなので、そこにおいて一定の方向性が示されるものと思われます。
在留活動・期間に制限のない「永住者」の外国人の方々は、日本社会にとって特に重要な構成員であるため、在留外国人の総数が急増する中、その位置づけや在り方についての議論も、今後一層その重要さを増していくはずです。
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まもなく平成も終わりを迎えようとする中、
出入国在留管理庁は、本日(4/26)付けで新たなパブリックコメントを掲載しました。
内容は、日本語教育機関(日本語学校)の告示基準の一部改正です。
「日本語教育機関の告示基準」は、平成28年7月22日に策定され、平成29年8月1日からその運用を開始していますが、昨今、日本語学校に在学する留学生の在学状況不良や資格外活動違反(アルバイトオーバー)が問題となっています。
こういった状況を踏まえ、告示基準が下記のとおり改正(厳格化)される見込みです。
※以下、パブコメに掲載された改正の概要より転載。
(1)在学状況が良好でない留学生の勤務先の報告に係る基準の追加(第1条第1項第39号)
1か月の出席率が5割を下回った生徒について,当該生徒が資格外活動の許可を受けている時は,当該許可に係る活動を行う本邦の公私の機関の名称と併せて,地方出入国在留管理局に対し当該生徒について報告させることとするも の。
(2)資格外活動許可を受けている留学生の勤務先の届出基準の追加(第1条第1項第40号)
学生の在籍管理の徹底のため,資格外活動を受けている留学生については, 当該許可に係る活動を行う本邦の公私の機関の名称を日本語教育機関に届出させ,届出のあった内容を当該生徒が在籍しなくなってから少なくとも1年を経 過するまで保存させることとするもの。
(3)留学生の日本語能力に係る試験の合格率等の結果の公表及び地方出入国在留管理局への報告,並びに当該結果が良好でない場合の改善策の報告に係る基準の新設(第1条第1項第45号)
教育の質の確保を目的として,各年度の課程修了の認定を受けた者の大学等 への進学及び日本語能力に関し言語のためのヨーロッパ共通参照枠(「CEF R」)のA2相当以上のレベルであることが試験その他の評価方法により証明さ れている者の数について,地方出入国在留管理局へ報告し,公表するとともに,当該者の合計の割合が7割を下回るときは,改善方策を地方出入国在留管理局 へ報告することとするもの。
(4)告示基準への適合性について点検を行い,地方出入国在留管理局へ報告する 基準に係る規定の新設(第1条第1項第46号) 日本語教育機関の告示基準における適合性について,毎年度点検を行い,その結果を地方出入国在留管理局へ報告することとするもの。
(5)全生徒の6か月間の出席率及び当該期間における個々の生徒毎の月単位の出席状況の報告に係る基準に係る規定の新設(第1条第1項第47号)
全生徒の6か月間の出席率及び当該期間における個々の生徒毎の月単位の出席状況について,それぞれの期間の経過後3か月以内に地方出入国在留管理局への報告することとするもの。
(6)抹消の基準の追加(第2条第1項第3号,第5号,第6号)
留学告示から日本語教育機関を抹消する際の基準を厳格化するため,全生徒の6か月間の出席率の平均が7割を下回るとき,地方出入国在留管理局から適 正校でない旨の通知を3年連続で受けたとき,大学進学者等及びCEFR・A 2相当以上と認められる者の合計の割合が3年連続で7割を下回ったときなどは,同告示から抹消されることとしたもの。
(7)その他所要の改正
今回の改正は、あくまで日本語学校の基準に関するものなのですが、上記が実施されれば、アルバイトオーバーが疑われる留学生の情報が入管庁に集約されることとなるため、結果として留学ビザの審査にも大きな影響があるものと推測されます。
今後のスケジュールとしては、令和元年6月末に法務省ホームページにおいて公表され、同年7月1日より運用開始とされています。
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新年度を迎え、いよいよ改正入管法施行による新制度がスタートしました。
今後5年間で約34万人の外国人材の新規受入れが予定されている『特定技能』の他、
既存の在留資格の外国人についても、さらなる増加が予想されます。
日本で長く暮らす外国人の方々にとって、最終的にたどりつく選択肢は、大きく分けて「永住ビザ」と「帰化」の2種類が挙げられます。
いずれも、長く安定的に日本で暮らすことができるため、外国人の多くがその道を目指すのも十分に理解できます。
また、上記のとおり今後予想される外国人の増加に伴い、「永住ビザ」や「帰化」の申請者についても一定増加するだろうと思われます。
そのような中、先般、法務省は帰化許可申請に係る最新の統計を公表しました。
それによれば、直近(平成30年)の年間申請者は9,942名で、前年の11,063名から約1,120名の減少が見られる一方で、
不許可者数は「670名」と過去最高となっています。
統計によれば、不許可者数は平成26年の519名を皮切りに、毎年連続して過去最高を更新してきているのですが、その反面、「韓国・朝鮮」「中国」以外の国籍者の許可者数については、平成27年以降、増加傾向を続けているという興味深い推移も見られます。
帰化といえば、つい最近、横綱の白鵬関が帰化の意向を公に示したことも話題となっています。
まもなく新時代『令和元年』を迎える日本にとって、日本国の構成員である「日本国民」について、帰化制度の在り方を含めた国民的議論が必要になってくるのではないでしょうか。
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改正入管法が4月1日付けで施行され、新たな外国人受入れ制度が始まりました。
また、同日には、新元号『令和』が発表され、新たな時代の幕開けを感じさせる一日となりました。
さらに、同日付けで「出入国在留管理基本計画(案)」についても、パブリックコメント(意見公募手続き)において公表されましたので、今回はその概要についてご紹介いたします。
「出入国在留管理基本計画」とは、出入国管理及び難民認定法に基づき、法務大臣が出入国在留管理行政の施策の基本となる計画について定めるもので、これまで、下記タイミングで計5次にわたり策定されてきました。
・第1次 出入国管理基本計画(平成4年5月策定)
・第2次 出入国管理基本計画(平成12年3月策定)
・第3次 出入国管理基本計画(平成17年3月策定)
・第4次 出入国管理基本計画(平成22年3月策定)
・第5次 出入国管理基本計画(平成27年9月策定)
今般の計画は、順番としては第6次になろうかと思われますが、改正入管法施行に伴い、名称も従前の「出入国管理基本計画」から「出入国在留管理基本計画」に変更されています。
前回の第5次に際しては、高度人材外国人の受入れ促進、 少子高齢化の進展を踏まえた外国人の受入れ検討、新たな技能実習制度の構築、自動化ゲート利用者の増加等が重点的に盛り込まれていました。
そして、入管法改正を中心に、実際に下記施策が実行に移され、入管行政を取り巻く環境が大きく変化しました。
■深刻な人手不足対策としての在留資格「特定技能」の新設
■外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の策定及び法務省による総合調整機能の下での施策推進体制の構築
■出入国在留管理庁の設置による体制整備
■技能実習生の保護等を目的とする技能実習法の施行
上記経緯を踏まえ、今般の計画案では下記項目を基点として、具体的な対応策(今後の方針)が盛り込まれています。
○ 我が国経済社会に活力をもたらす外国人を積極的に受け入れていくこと
○ 開発途上国等への国際貢献の推進を図るとともに,技能実習生の保護の観点から,技能実習制度の適正化を推進すること
○ 受け入れた外国人との共生社会の実現に向けた環境を整備していくこと
○ 訪日外国人旅行者の出入国手続を迅速かつ円滑に実施することで観光立国の実現に寄与すること
○ 安全・安心な社会の実現のため,厳格かつ適切な出入国審査及び在留管理と不法滞在者等に対する対策を強化していくこと
○ 難民問題については,国際社会の一員として,適正かつ迅速な保護の推進を図っていくこと
項目自体は、前回計画と大きな違いはないものの、具体的な内容については、より踏み込んだ対応策も見られます。
以下、前回との違いにおいて、特に重要と思われるポイントを適宜本文を抜粋・引用してご紹介します。
※まだパブコメ掲載の段階なので、下記はあくまで(仮)の内容となります。
□ 外国人との共生社会の実現に向けた取組の強化
⇒「我が国に適法に在留する全ての外国人を,孤立させることなく社会の構 成員として受け入れていくとともに,外国人が日本人と同様に公共サービ スを享受し,安心して生活することができる環境を整備していくため,総合的対応策について,関係行政機関,地方公共団体,更には民間分野からの協力も得て,関係施策の着実な実施を推進していくとともに,実施状況の的確な把握とフォローアップを行う。」
□ 在留管理制度の的確な運用と在留管理基盤の強化
⇒「的確な在留管理を行うため,雇用主が厚生労働省に対して届け出る外国人雇用状況届出の記載事項に在留カード番号を追加し,同番号を含めた外国人雇用状況届出情報の提供を受けることにより,法務省が保有する情報とのより正確な突合を行うなど,関係行政機関との間で,適切な情報連携を図るための措置を推進していく。」
□ 国民健康保険や国民年金の保険料等の納税義務についての審査が一層厳格化
⇒「特定技能外国人が国民健康保険・国民年金の保険料を一定程度滞納したり,所得税等について自己の責めに帰すべき事由により一定程度滞納している場合は在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請を不許可とする。加えて,関係機関との情報連携等により,社会保険の加入促進及び納税義務の履行促進に取り組む。その上で,その他の在留資格を有する外国人についても同様の措置を講ずることを検討していく。」
□ 偽装滞在者対策の強化
⇒「偽装滞在者は,表見上正規在留者であるため,一般人から入手できる端緒情報が少なく,また,実態解明に相当の労力を要するという問題がある。そのため,申請や届出によって法務省が把握する情報のほか,厚生労働省から提供される外国人雇用状況届出情報等関係機関から提供される情報を一層効果的に集約して分析し,的確な在留管理に活用していく。」
□ 出入国在留管理体制の整備
⇒「近年,出入国在留管理行政に係る業務量が飛躍的に増大し,新たな外国人材の受入れに関する業務等の追加により,所管する業務の質,量いずれも大きく変化しているところ,これらの業務を的確に遂行するとともに,新たに法務省が担うこととなった外国人の受入れ環境の整備に関する総合調整等の機能を果たすため,2019年4月1日,法務省の外局として,出入国在留管理庁が設置されたところである。 出入国在留管理庁には,長官,次長及び審議官2名が置かれているほか, 出入国管理部と在留管理支援部の2部が設置されるなど,抜本的な組織体制の強化が図られた。また,定員は2019年度には546人の増となり,出入国在留管理庁は,5,432人の組織となった(うち本庁211人)。
□ 永住許可の在り方の検討
⇒「近年,我が国に在留する外国人は増加しており,それに伴い,永住者として我が国に在留する外国人も増加し続けているところ,2018年12 月に成立した入管法等改正法に係る参議院法務委員会の審議において,永住許可申請に対しては,厳格に審査を行うべきとの附帯決議がなされている。 今後も,我が国に在留する外国人が増加し続ける中で,入管法等改正法の附則規定に基づく2年後の見直しをも見据え,在留活動に制限がなく,かつ,在留期間にも制限のない在留資格「永住者」について,その在り方を検討していく。」
当該計画は、今後の入管行政の方針や基本的な考え方を内外に示し、的確に対応していくために策定されたものです。
そのため、ここに盛り込まれた内容は、この先2〜3年後の出入国在留管理施策の「道しるべ」として非常に重要です。
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永住許可の要件については、入管法22条2項に規定されていますが、
具体的なポイントについては永住許可に関するガイドラインで示されています。
このガイドラインはたびたび改定されており、直近では平成29年4月26日付けで改正され、高度専門職に該当する一定の外国人に対して永住許可要件のうち、居住要件が大幅に緩和されました。
このたび、新たな改正案がパブリックコメントに掲載されました。
公表資料によると、永住許可の3要件のうち、いわゆる「国益適合要件」(22条2項本文)の一部について、以下のとおり改正(厳格化)される見込みです。
【変更前】
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること
【変更後】※傍線箇所が変更点(赤字引用者)
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(税金,年金及び保険料の納付義務並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
従前より、公的義務履行状況は審査対象になっていましたが、その内訳(内容)が明確化された形です。
以前弊社ブログでも紹介しましたが、入管法改正に際する衆議院付帯決議(10号)には、以下の文言が盛り込まれていましたので、おそらくそれを反映させた形かと思います。
「近年の我が国の在留外国人数の増加を踏まえ、在留外国人からの永住許可申請に対しては、
出入国管理及び難民認定法第二十二条第二項の要件の適合性について、厳格に審査を行うこと。」
ガイドラインなので、公布・施行という概念はありませんが、
パブコメの結果公表次第、おそらく5月下旬には運用が開始されると推測されます。
永住許可の要件確認の際は、上記を経緯及び趣旨を踏まえ、より厳格な事前検討が必要です。
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改正入管法の施行日(4月1日)を約1週間後に控えるなか、
法務省は3月20日付けで「特定技能運用要領・様式等」「申請手続」の詳細を公表しました。
政省令は15日付けで既に公布されていますので、これで新制度に向けた情報が出そろった形になります。
「運用要領」は、いわば実務運用マニュアルなのですが、要領本体だけでも170頁に及ぶ膨大なもので、これに加え、「支援に係る要領別冊」、さらに特定産業分野ごとの「要領別冊」が計14冊上乗せされているため、読み込むだけでも大変な労力を要します。
ただ、参考様式もあわせて公表されていますので、実務上は、これを参考に淡々と書類を作成・収集していくことになろうかと思われます。
また、下記様式については、英語及び9か国語による翻訳文も用意されています。
参考様式第1−1号 特定技能外国人の履歴書
参考様式第1−5号 特定技能雇用契約書
参考様式第1−6号 雇用条件書
参考様式第1−8号 支払費用の同意書及び明細書
参考様式第1−10号 技能移転に係る申告書
「1号特定技能外国人支援計画書(【PDF】 【WORD】 【記載例】)」についても、翻訳が必要なのですが、これについては用意されていないようです。
今後リリースされるのかもしれませんが、ただでさえ必要書類が多いうえに翻訳文も必要となるため、いずれにせよ、準備には相当なコストがかかることが予測されます。
以上を踏まえると、4月1日から申請受付が開始されたとしても、本格的に動き出すのは4月中旬以降となるのではないかと思われます。
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3月12日付けで、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(いわゆる「特活告示」)の改正案がパブリックコメントに掲載されました。
これによれば、特活告示に『特定活動』46号が新設され、日本の大学を卒業した等の一定の条件を満たす留学生については、日本で就職できる職種が大幅に広がることになります。
これまで、留学生が日本の企業等で就職する場合、基本的には『技術・人文知識・国際業務』という在留資格(いわゆる就労ビザ)を取得する必要がありましたが、そのためには、大学の専攻内容と業務内容に関連性があり、かつ業務内容が技術専門的なものであることが求められてきました。
そのため、飲食店・小売店等でのサービス業務や製造業務等のいわゆる現業が主たるものである場合は、就労ビザが認められてきませんでした。
しかし、企業側においては、インバウンド需要の高まりや、外国企業等との懸け橋として、語学力と専門的知識を有する留学生を幅広いフィールドにおいて採用したいというニーズが高まっていました。
そこで、こういった企業側の採用ニーズ及びこれまでの閣議決定等を踏まえ、日本の大学又は大学院を卒業・修了した留学生については、大学・大学院において修得した広い知識及び応用的能力等を活用することが見込まれ、日本語能力を生かした業務に従事する場合は、その業務内容を広く認めることとし、その受け皿として『特定活動』46号が新設されました。
この『特定活動』46号の取得要件は下記となる見込みです。
(※パブコメ掲載段階なので、変更される可能性もあります)
1、常勤の従業員として雇用され,本邦の大学又は大学院において修得した知識や能力等を活用することが見込まれること。
2、本邦の大学(短期大学を除く。)を卒業し,又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと
3、日本人と同等額以上の報酬を受けること
4、高い日本語能力を有すること(試験又はその他の方法により,日本語能力試験N1レベル等が確認できること)
※ただし、風俗営業活動や、法律上資格を有する者が行うこととされている業務(業務独占資格を要する業務)については従事不可。また、大学・大学院において修得した知識や能力を必要としない業務にのみ従事することはできない。
これにより、これまで認められてこなかった現業的要素を含む職種(例えばサービス業務や製造業務等)においても、上記条件を満たすことで就労の道が開けることになります。
企業にとっては、日本語や日本文化等の良き理解者でもある留学生の採用・活用の場が広がることになるため、事業成長の大きなチャンスになるものと思われます。
公表資料によれば、告示公布日・施行日ともに平成31年5月下旬予定とのことです。
6月以降、日本の外国人労働市場の構図はまた大きく変わっていくことになりそうです。
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]]>※写真はイメージです。
改正入管法施行を目前に控えるなか、全国各地で法務省による制度説明会が開催されています。
それに伴い、法務省は2月8日付けで最新の資料を公表しました。
また、これとは違う流れにおいて、特定技能ビザの受入れ対象となる各分野を所管する省庁主催の説明会も随時開催されています。
上記公表資料によると、特定技能のビザ申請及び登録支援機関の登録申請の受付開始は4月1日からのようです。
しかし、必要書類のうち、申請書や支援計画、雇用契約書の様式はいまだ明らかになっていません。
想定される審査期間も不明のままですので、しばらくは暗中模索が続くものと予想されます。
一方で、各業界においては、いち早く新制度を利活用したいとの思いから、積極的な情報収集・情報共有が進められているようです。
深刻化する人手不足問題解消の第一歩となりうる制度なだけに、円滑かつ適正な利用が求められるところですが、あまりにタイトなスケジュール感であることは否めません。
新制度が少しでも多くの企業にとって利用しやすいものとなると同時に、適正に運用されることで来日する外国人にとっても安心で快適な労働環境を提供できるように、私たちも微力ながら情報提供・利用促進に努めていきたいと考えています。
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現在は、各分野ごとに詳細な規定を定めた「告示」案について続々とパブコメにかかっています。
今回の告示案は大きく2種類あり、?どの分野について告示をするかという告示と、?分野ごとの告示に分かれます。
?では特定技能1号について14分野を規定しており、特定技能2号については建設と造船・舶用工業の2分野を規定しています。
このように、「特定技能」に係る制度は非常に複雑かつ重層的な構造になっていますが、
簡単にまとめると、下記イメージがわかりやすいかと思います。
なお、新制度については、
経済産業省が「製造業における外国人材受入れに向けた制度説明会」を全国で開催します。
→開催スケジュールはこちら
法務省入国管理局も、同様に全国で制度説明会を行うとしていますが、
開催スケジュール等は現時点(2019年2月4日現在)では公表されていません。
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昨年(2018年)12月28日付けで、新たな外国人材受入れに関する政省令(案)の概要について、パブリックコメントが掲載されました。
意見公募の締め切りは1月26日です。
その後正式に成立し、4月1日に施行される見込みです。
これで、「特定技能」に係る新制度について、具体的な中身に関する情報がほぼ出そろった形になります。
新制度開始に伴い、既存の2法務省令(入管法施行規則、上陸基準省令)に加え、新たに2つの省令が設けられます。
以下にそれぞれの概要をご紹介します。
1、新たに設ける省令(2省令)
?契約,受入れ機関,支援計画等の基準に関する省令
・受入れ機関が外国人と結ぶ契約が満たすべき基準
・受入れ機関が満たすべき基準
・支援計画が満たすべき基準等
?分野,技能水準に関する省令
・受入れ対象分野,技能水準
2、既存の省令の改正(2省令)
?上陸基準省令
・外国人本人に関する基準
?出入国管理及び難民認定法施行規則
・受入れ機関の届出事項・手続等
・登録支援機関の登録に関する規定等
・その他(在留期間等)
上記のうち、実務上特に重要と思われるのが新たに設けられる省令のうち「?契約,受入れ機関,支援計画等の基準に関する省令 」です。
具体的には、雇用契約の内容について、報酬額が日本人と同等以上であること、帰国旅費を受入れ機関が負担すべき場合があること等が列挙されています。あわせて、受入れ機関が満たすべき基準(たとえば、労働関係法令を遵守していること、悪質な紹介業者が介在していないこと、給与は預金口座へ振り込みにより行うこと等)が事細かに定められています。
新たなビザの運用のために、法務省令が2つも新設されるというのは珍しいケースです。
しかも、新たに盛り込まれる規定の内容もかなりのボリュームがあります。
それだけ、大型の法改正であることがうかがえます。
国会での審議過程においては白紙委任法案と揶揄された改正入管法ですが、実質的なコンテンツである省令の正確な理解が実務におけるひとつの山場となりそうです。
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来年4月の改正入管法施行に向けて、政府は25日に【基本方針】と【分野別運用方針】を閣議決定しました。
【基本方針】は、新在留資格「特定技能」ビザの制度運用に関する方針を定めたもので、【分野別運用方針】は、受け入れ見込み人数や具体的な業務等について14業種ごとの方針を定めたものです。
さらに注目すべきは、外国人材の受入れ・共生のための施策を定めた【総合的対応策】も同時に了承・公表された点です。
★この【総合的対応策】は、特定技能ビザに限らず、すべての在留外国人が対象となっており、その施策分野も広範であるため、とても重要です。
以下、それぞれの要旨について、最重要事項と思われるものを中心に簡単にまとめます。
【基本方針】
・外国人が大都市圏等に集中しないよう必要な措置を講ずるよう努める。
・受け入れ分野(特定産業分野)は下記14分野であり、関係行政機関において分野ごとに分野別運用方針を策定する。
《特定産業分野》
1介護業/2ビルクリーニング業/3素形材産業/4産業機械製造業/5電気・電子情報関連産業/6建設業/7造船・舶用工業/8自動車整備業/9航空業/10宿泊業/11農業/12漁業/13飲食料品製造業/14外食業
・日本人の雇用機会の喪失や処遇低下等を防ぐ等の観点から、分野別運用方針で、当該分野の向こう5年間の受け入れ見込み数を示す。当該見込数は、大きな経済情勢の変化が生じない限り、外国人受入れの上限として運用する。
・日本語能力試験(テスト)は原則として国外で実施する。
・悪質な仲介業者を排除するため、法務省は2国間取り決め等必要な方策を講じる。
・特定技能外国人の報酬額は日本人と同等以上とする。
・受入れ先企業は、特定技能外国人に対して生活支援を実施する義務がある。
・同一業務や業務内容に共通性がある場合は転職を認める。
・雇用形態はフルタイムとした上で、原則直接雇用とし、特段の事情がある場合は例外的に派遣を認める。
【分野別運用方針】
・特定技能1号の技能試験及び日本語能力判定テストの開始予定時期について、2019年4月としている分野は、介護業・宿泊業・外食業の3分野のみ。それ以外の分野は2019年秋以降や2019年度内とされている。
・受入見込数の合計は34万5150人。
・受入見込数が一番多い分野は介護業で6万人、次いで外食業の5万3000人、建設業の4万人が続く。
・14の分野のもと、それぞれ具体的な業務が「試験区分」に基づき細分化・規定されている。
《例》素形材産業の場合
・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・工場板金 ・めっき ・アルミニウム陽極酸化処理 ・仕上げ ・機械検査 ・機械保全 ・塗装・溶接 の13試験区分
【総合的対応策】
・都道府県や政令指定都市等100か所に一元的相談窓口「多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)」を設置。また、「生活・就労ガイドブック(仮称)」を多言語で作成・配布する。
・医療や災害対策、運転免許取得、住宅、金融等の面でも多言語化等により支援する。
・日本語教育体制を充実化するとともに、日本語教育機関に対する規制を厳格化する。
・留学生が就職できる業種の幅を広げるため、2019年3月を目途に法務省告示の改正を行う。また、中小企業への就職支援のため、各種提出書類の簡素化を検討する。
・施策情報を提供する「高度外国人材活用推進プラットフォーム」を日本貿易振興機構に設置する。
・事業所や外国人に対する社会保険への加入を促進させるとともに、健康保険の被扶養者を原則国内居住者に限定する方針。
・技能実習について、各国と二国間協定を締結するとともに、特定技能ビザ対象国(9か国)との間で悪質なブローカー排除のため「政府間文書」の作成を目指す。
・外国人本人に代わってビザ手続きができるオンライン申請手続きの一部運用を2018年度中に開始する。
(当初の対象となる手続きは、在留期間更新許可申請・資格外活動許可申請・再入国許可申請となる見込み)
・法務省と厚労省が連携・情報共有し、業種別・地域別の就労状況を正確に把握することで在留管理体制を強化する。
なお、上記オンライン申請手続き導入に伴う法務省令改正については、12月27日付けでパブリックコメントが公示されています。
今後来年初旬にかけて、具体的な手続き規定について順次法務省令が改正されていくものと思われます。
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分野横断的な基本方針には都市部等への過度な集中回避や同一分野内での転職などを明示し、受け入れ分野ごとに定める分野別運用方針には受け入れ人数や対象職種などが盛り込まれるとみられています。
いずれも年内に閣議決定される見込みなので、まもなくその全容が明らかになりそうです。
改正入管法成立後は、上記方針や省令の動きに注目が移っていますが、
ここで、改正入管法可決時に衆参両院にてそれぞれ付された付帯決議に着目してみたいと思います。
※付帯(ふたい)決議とは、衆参両院で法案が可決された際に、その後の施行や運用についての要望を表明したものをいいます。いわば、政府に対する国会からの注文です。法的拘束力はありませんが、政府にはこれを尊重することが求められます。
衆参それぞれの付帯決議(全文)は以下リンクからご確認いただけます。
・衆議院
・参議院
今回注目したいのは、参議院の付帯決議のうち、10号の決議内容です。
そこでは下記のとおり記載されています。
近年の我が国の在留外国人数の増加を踏まえ、在留外国人からの永住許可申請に対しては、
出入国管理及び難民認定法第二十二条第二項の要件の適合性について、厳格に審査を行うこと。
新在留資格『特定技能1号』『特定技能2号』ビザにより受け入れが見込まれる外国人は、2019年4月から5年間で最大34万5千人と試算されています。
ただでさえ、ここ数年で在留外国人は急増しており、平成30年6月末の在留外国人数は263万7,251人で、前年末に比べ7万5,403人(2.9%)増加となり過去最高を記録しました。
また、それに伴い『永住者』の数も増加を続けています。
意外と思われるかもしれませんが、在留外国人のうち、もっとも多いのは永住者です(下記グラフ参照)。
国会は上記経緯及び将来性を鑑み、永住審査の厳格化の必要性を唱えています。
もっとも、あくまで付帯決議での明記にとどまっているため、ただちに厳格化されることはないと思われますが、少なくとも外国人の増加により永住審査が緩和される方向に動くことはなさそうです。
(一方、一部の高度人材等に関しては、今後も政策的な緩和措置が続けられるものと予想されます)
最新の報道によると、事実上永住への道が開かれる『特定技能2号』ビザについて、(建設分野に限ってですが)早くも来年4月から受け入れが可能となるようです。
ただし、ここでいうところの事実上の永住と永住者の在留資格はまったくの別物なので注意が必要です。
特定技能2号は在留期間の更新が可能であることから、更新が認められる限り、結果として日本に永住することは不可能ではありません。
しかし、だからといって特定技能外国人が永住ビザを取得できるかというと…、現状の永住審査基準が大幅に緩和変更等されない限り、実際のところかなり困難であろうと思われます。
いずれにせよ、永住審査の厳格化が付帯決議に明記された事実は軽くはありません。
しかも、文言上、特定技能外国人のみを厳格化の対象するものではないため、従前の在留外国人にとっても今後の審査運用には細心の注意が必要といえそうです。
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12月8日(日)未明に、改正入管法が参議院で可決され、成立しました。
来年4月から『特定技能1号』『特定技能2号』の新在留資格がスタートします。
同時に、法務省入国管理局は法務省外局の出入国在留管理庁に格上げされます。
今後の日本国のあり方を左右する極めて重要な法案であるにも関わらず、審議時間は、衆参両院で合計38時間という短さでスピード可決されたことに批判が集まっていますが、成立した以上、あとは何をどのように準備して来年4月の施行を迎えるかという課題に向き合っていくしかありません。
政府は10日、今後のスケジュールについて下記のとおり公表しました。
【年内】
政府が今後の運用の方向性を示す「基本方針」及び各省庁が各分野での受け入れ人数を定める「分野別運用方針」を策定
→基本方針は25日か28日に閣議決定見込み
私見によれば、その後来年1〜2月中に入管法施行規則及び上陸許可基準省令の改正案についてパブコメ掲載され、4月の施行に備えるものと思われます。
具体的な内容は政省令で定めるとする「白紙委任立法」との批判も強い今回の改正ですが、入管法は、従前より政省令(主に省令)に委任される部分が多い構造となっています。
現行法においても、いわゆるビザ取得要件というものは大半が基準省令で規定されています。
したがって、本当に大切なのはこれからと言えそうです。
とはいえ、法律と違って政省令は国会によるチェックができません。
そのため、パブコメ(パブリックコメント)において少しでも議論が深まることが望まれます。
上記のように、改正入管法を台風の目として嵐のごとく過ぎ去った今臨時国会ですが、
台風一過の国会での話題は早くも憲法改正に移っているようです。
当然ながら、憲法改正も国のかたちを大きく変える非常に重要なテーマです。
政府は、平成32(2020)年の改正憲法施行を目指しています。
来年1月下旬に招集見込みの通常国会では、憲法改正が主要議題となると思われます。
こればかりは、絶対に“拙速”などと言われてはなりません。
国民的議論の場が早い段階で確保提供されるよう、今後も国会運営に注視する必要がありそうです。
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]]>政府は当初より今般の改正は『移民政策とは異なる』として繰り返し主張しています。
しかし、事実上の移民政策にあたるとする意見も多く、議論が噛み合わない印象を受けます。
その背景には、そもそも「移民」の定義が双方で一致していないという点が挙げられます。
国連によれば、「移民」とは「1年以上外国に居住している人」としていますが、政府は、「国民の人口に比して、一定程度のスケールの外国人およびその家族を、期限を設けることなく受け入れることによって、国家を維持していこうとする政策」が移民政策であり、今回の政府案はそれにあたらないとの立場をゆずりません。
しかし、先にみたように、特定技能2号に移行すれば、家族の呼び寄せが認められ、在留期間の上限もありませんので、更新が認められる限り、事実上日本に永住することもできます。さらに、永住許可要件を満たせば、永住者のビザを取得でき、活動に制限なく家族とともに日本に住み続けられる可能性も出てきます(ただ、永住要件は収入条件等ハードルが高いため、実際は相当厳しいと思います)。そのため、国際的な考え方に照らせば、移民政策といわれる理由も理解できるように思えます。
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今月2日に改正入管法が国会に提出されましたが、委員会審議を経て、本日(13日)、衆院本会議で審議入りします。
実際の改正案は既に公表されています。
1、目的に関する規定の整備
入管法の目的(1条)として、「本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図ること」が追加されました。現行法は「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」とあるのみなので、「在留」に言及するものではありませんが、在留外国人が256万人を突破した今、「出入国」のみならず、「在留」も焦点化するのは自然な流れですし、実態にも沿うと思われます。
2、出入国在留管理庁長官の権限に関する規定の整備
以上、概要を整理してご紹介しました。
上記の規定のされ方からわかるように、方針や要件等、本質的部分に関しては、基本的に法務省令に委任されているため、法案だけだと具体的なイメージがわかないのが率直なところです。
今回の法改正の大きな問題のひとつは、まさにこういった規定のされ方にあるのですが、来年4月の施行を目指すのであれば、今国会でまずは大枠だけでも決めておきたいのでしょう。
今国会の会期は12月10日までです。果たして上記内容で可決成立するのか、審議の行方を見守るほかありません。
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来年4月に予定されている新在留資格のスタートに向けて、法務省では各方面からの調整が進められています。
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前回のエントリーでは、新在留資格において検討されている具体的な受け入れ職種についてご案内しました。
日本で働く外国人は現在130万人にのぼるといわれており、
日本で暮らす外国人の総数(約256万人)のうちおよそ半数を占めるわけですが、
“日本で働く外国人”と聞いて思い浮かべる職種のひとつに、
『コンビ二エンスストア』の外国人アルバイトを挙げられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に首都圏では、ここ数年で本当に多くなりましたね。
そういった背景からもわかるように、コンビニ業界こそ、外国人従業員を求めている業界に挙げられるはずです。
ところが、先般公表された14種類の業種に、コンビ二業は入っていません。
数ヶ月前までは、コンビニ業界も受け入れの要望をしていたようですが、なぜ取り込まれなかったのでしょうか?
政府は、その理由を「接客」に求めています。
わたしたちが普通にイメージできるように、コンビ二の仕事は大半が来店した客へ販売等を行う接客です。
このような「接客」に焦点化した仕事だと、一定の技術や技能を求める『特定活動』ビザの趣旨に照らして、適合させるのが難しいというのが、その理由のようです。
ところが、同じく「接客」要素が多分に含まれる『外食』産業については、受け入れ検討業種に含まれています。
この違いはいったいなんのか。
その答え(答弁)はいまだ明確ではありません。
来年4月の施行はほぼ確実とも言われている中、あまりに不透明な要素が多いのが今回の法改正の特徴といえるでしょう。
今後も法案審議の動向を注視する必要があります。
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ここ最近話題にあがっている入管法改正・新在留資格の創設について、
現在のところ、14種類の受け入れ業種が検討されています。
(当初は5分野が想定されていたのですが、ここぞとばかりに一気に増えた印象です)
報道によると、14種類の内訳は以下のとおりです。
1、介護
2、ビルクリーニング
3、素形材産業
4、産業機械製造
5、電気・電子情報関連
6、建設
7、造船・舶用工業
8、自動車整備
9、航空
10、宿泊
11、農業
12、漁業
13、飲食料品製造
14、 外食
改正法案については、自民党の法務部会で反対意見も噴出したようですが、先日なんとか承認を得たようです。
法案は明日(11月2日)にも閣議決定し、臨時国会へ提出される見通しです。
正式な受け入れ業種の内訳や要件等については、法案成立後に省令(法務省令)で定めるとのことです。
省令は法律ではないため、国会での審議を経ることなく行政ベースで柔軟に決定することができます。
その反面、受け入れ業種は不明確のままで、ひとまず「大枠」だけ法律で決められることになります。
そのため、野党からはこのような姿勢に批判の声も出ているようです。
省令となると、前回のエントリーでふれたようにパブコメにあがることになります。
現在の進捗ですと、早くて年末、遅くとも1月末にはパブコメに具体的な要件等があがるはずです。
まずは法案の確認が第一ですが、パブコメからも目が離せなさそうです。
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法務省入国管理局は、特定活動告示等の一部改正案に関するパブリックコメントを2018年10月19日付けで公示しました。
一方で、かねてより話題となっている新在留資格「特定技能1号・2号」の創設のための入管法改正案については、議論が難航しているようです。
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政府は12日、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を首相官邸で開催し、
同会議で配布された資料「『出入国管理及び難民認定法』及び『法務省設置法』の一部を改正する法律案」の骨子等が公表されました。
この骨子が条文に反映された法案が、近日召集される臨時国会に提出される見通しです。
新制度の概要がかなり具体的に浮き彫りになってきました。
主なポイントを下記にご紹介します(以下、公表資料の一部抜粋と筆者のコメント)。
1 在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設
(1) 特定技能1号:不足する人材の確保を図るべき産業上の
分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要
する業務に従事する外国人向けの在留資格
(2) 特定技能2号:同分野に属する熟練した技能を要する業
務に従事する外国人向けの在留資格
→業所管省庁が定める一定の試験に合格すること等で、
1号から2号に移行できるとされています。
2 受入れのプロセス等に関する規定の整備
(1) 分野横断的な方針を明らかにするための「基本方針」(閣議決定)に関する規定
(2) 受入れ分野ごとの方針を明らかにするための「分野別運用方針」に関する規定
(3) 具体的な分野名等を法務省令で定めるための規定
(4) 特定技能外国人が入国する際や受入れ機関等を変更する際に審査を経る旨の規定
(5) 受入れの一時停止が必要となった場合の規定
→具体的な方針は明らかではありませんが、詳細は法務省令に委任されるようなので、
法務省令の改正にも注意が必要のようです。
3 外国人に対する支援に関する規定の整備
(1) 受入れ機関に対し、支援計画を作成し、支援計画に基づいて、特定技能1号外国人に対する日常生活上、職業生活上又は社会生活上の支援を実施することを求める。
(2) 支援計画は、所要の基準に適合することを求める。
→受入れ機関(つまり、雇用主)が果たすべき義務や、負うべき責任も大きいようです。
登録のための詳細は未定ですが、既存の機関(士業や入管協会、組合等)が何らかの形で関与することも予想されます。
6 届出、指導・助言、報告等に関する規定の整備
(1) 外国人、受入れ機関及び登録支援機関による出入国在留管理庁長官に対する届出規定
(2) 出入国在留管理庁長官による受入れ機関及び登録支援機関に対する指導・助言規定、報告徴収規定等
(3) 出入国在留管理庁長官による受入れ機関に対する改善命令規定
→就労環境の適正管理や技能実習制度の問題点等を鑑みた結果でしょうか、
特に罰則規定については法案の条文で注意深く確認することが必要でしょう。
その他、既にご案内のとおり、入国管理局が「出入国在留管理庁」(外局)に昇格する点や、
それに連動して地方入管の名称も「●●地方出入国在留管理局」に変更される見通しです。
それには、入管法令のみならず、根拠法令である法務省設置法及び施行規則の改正も必要となるため、
細部調整含めてかなり大掛かりな改正になりそうです。
ところで、名称まで変わるとなると、各種看板や案内文書等もリニューアルしなければいけませんね。
余計な心配ですが、当局の仕事も増えることになりそうです。
(もちろん、私たちも変更に対応しないといけませんが)
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]]>出入国管理政策懇談会とは、出入国管理行政について広く各界の有識者から意見を聴くために設けられた法務大臣の私的懇談会で、平成28年9月に発足した第7次の政策懇談会は、第5次出入国管理基本計画において今後検討することとした課題等について、幅広い視点から有識者の意見を聴取することを目的としています。
今回の会合では、議案のひとつとして「永住者の在留資格について」今後の方針が検討されました。
永住者の在留資格をもって日本で暮らす外国人は、平成29年末時点で749,191人おり、在留外国人全体のうち約3割を占めるに至っています。
一方で、永住申請の許可率の推移をみると、ここ数年減少傾向にあるという興味深いデータも公表されています。
特に直近の昨年においては、6割を下回る低い許可率で着地しています。
【永住許可率の推移】(懇談会配布資料より)
平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 |
71.8% | 70.5% | 70.9% | 67.5% | 56.9% |
永住を許可するか否かは、法務大臣の広範な自由裁量権に委ねられているといわれています。
したがって、社会情勢や在留管理方針等の変化によって、許可率にも変動が生じうるのです。
→この点については以前のエントリーで詳しく説明しています。
それでは、今後も許可率の低下は続くのでしょうか?
もちろん、それは今後の状況次第としか言いようがないのですが、公表資料によると、少なくとも納税関連事項については、審査がより厳格化するのではないかと推測されます。
その理由は、平成29年度から平成30年8月にかけて法務省入国管理局に寄せられた地方自治体からの主な要望(永住審査に関するもの)として、以下の項目が挙げられているからです(以下、配布資料7頁より引用/太字・傍線引用者)。
1 納税状況の確認ついて
○ 住民税の納税状況以外に,他の「市税」(国民健康保険税,固定資産税,軽自動車税,都市計画税)の納税状況も含め,
審査を実施していただきたい。
○ 納税証明書の提出を求めない過年度分の税金は未納が多いことから,過年度分まで提出を求め,納税義務の履行を確認して
いただきたい。
○ 地方税法に基づく住民税・国民健康保険税は納付義務の時効が5年,国民健康保険法に基づく国民健康保険料は2年のとこ
ろ,未納による差し押さえ等がある場合には時効が停止している。したがって,時効停止を考慮し,4〜5年程度の納税状況
を確認していただきたい。ただし,納税状況の照会に応じることは困難であることから,納税に係る確認書や滞納がない旨の
証明書の提出を求めるなどの方法を検討していただきたい。
○ 永住者は将来も日本に居住することが見込まれるため,国民年金保険料の未納についても,将来の無年金者や生活保護受給
者の増加につながる問題であるため,市税の納付と合わせて注視していただきたい。
○ 永住許可を既に受けている者の社会保険料等納付状況の定期的な確認を実施していただきたい。
○ 滞納しているのであれば,永住許可の取消しなどの対応も必要ではないかと考える。
2 外国人の出入国に係る情報連携について
未納者が出国した場合,徴収することが困難となるところ,同一人が再度入国した場合であっても,自治体では同一人性が確認できないため,徴収が困難となる。また,出国事実が把握できないため,未納分の徴収が可能か否かさえ不明となることから,外国人の出国情報を提供していただきたい。
3 その他
現場としては,永住者の日本語能力にも疑問を感じる。日本での生活や,安定した就労のためには,一定程度の日本語能力が必要となるため,日本語能力についても永住許可の判断の要件とし,審査を実施していただきたい。
現時点(2018年10月現在)では、住民税の納税証明書等が必須書類として求められており、必要に応じて国民健康保険税の納付状態も審査されていますが、今後は国民年金や他の市税、日本語能力も審査の対象となる可能性もあります。
また、注目すべきは既に永住許可を受けている者についても調査(確認)の対象とすべきとの意見もあり、滞納状態が悪質な場合は永住許可の取消しも今後議題に挙げられる可能性があるという点です。
もちろん、まだ要望が寄せられている段階ですので、近々でというわけではないと思われますが、永住申請に際しては一層の事前検証が必要となることは間違いなさそうです。
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]]>たしかに、(事案にもよるものの)全国的にみればおおよそ4〜6ヶ月ほどで結果が出るケースが多いようです。
ところが、こと東京入国管理局に関しては、昨今、永住審査期間の長期化が指摘されています。
以前のエントリーでご紹介したとおり、約9ヶ月(場合によっては1年近く)というのがここ最近の傾向です。
では、なぜ管轄によってこのような差(地域差?)が出てしまうのでしょうか?
東京入管は審査長期化の理由について、申請件数の増加を理由のひとつとして説明しています。
たしかに、東京入管が管轄する1都9県は外国人が非常に多いため、永住申請件数もダントツで全国1位です。
(出典:地方入国管理局管内別 在留資格の取得等の受理及び処理人員(2018年7月)抜粋)
最新の統計(9月25日掲載)によると、今年7月の現在で受理されている全国の永住申請受理件数41,488件のうち、東京入管がかかえる件数は29,025件ですので、じつに約7割が東京入管の処理案件ということになります。
それでは、実際に申請件数は増加しているのでしょうか?
統計によると、平成29年1月時点の東京入管における永住申請受理件数は15,680件でした。
ところが、1年後の平成30年1月時点での件数は、24,255件となっています。
単純計算でも1年で8,500件の増加とみることができるため、確かに申請件数は増えているようです。
しかし、この受理件数という数字は該当月に受理した件数を指すのではなく、旧受(前月までの未済件数)と新受(該当月に受理した件数)の総数であるため、少し注意が必要です。
統計上では、毎月2,000〜3,000件の永住申請が受理(新受)されているのですが、昨年4月の永住許可に関するガイドライン改定後は、しばらくの間3,000件超の月が続きました。
一方で、既済件数(既に審査が完了した案件数)は2,000件前後で推移しています。
したがって、申請件数(新受)が少しずつ増加する一方で、審査の処理件数(既済)はほぼ横ばいという状態がここ1年続いた結果、未処理件数(未済)が徐々に増えていったというわけです。
つまり、上述した約8,500件の増加は、未済の積み重ねによる持ち案件の増加分ということができます。
東京入管がこのような状態にある一方で、同じく大都市圏を管轄する名古屋入管と大阪入管についても、ガイドライン改定後の微増はあったようですが、統計上は東京入管ほどの増加傾向はみられません。
以上を踏まえると、東京入管の永住審査部門がいかに混雑状態にあるかが想像できます。
審査が長引くことで焦る気持ちも理解できますが、上記現状を考えるといたし方ないといえそうです。
入管当局もこの国のために誠実に仕事をしてくださっているわけですので、申請人側としても謙虚な気持ちで粛然と結果を待ちたいものです。
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前回までの記事でもご紹介したとおり、来年4月の新在留資格「特定技能(仮称)」の運用スタートに向けて、法務省は組織編成を進めています。
具体的には、『法務省入国管理局』を『入国管理庁』に“格上げ”することと、入管実務にあたる入国審査官や入国警備官の増員が行われる方針です。
★最新の報道によると、新しい官庁の名称は『入国在留管理庁』(仮称)となる見通しのようです。入管は、入国審査を行うだけでなく、在留審査も行うわけなので、実態に即した名称だと思います。
また、入国審査官などの具体的な増員数については、500人規模で増員することを来年度予算の概算要求に盛り込んだとのことです。
500人増員、といわれてもあまりピンとこないかもしれませんので、現状から説明していきます。
(出所:平成29年版入管白書「出入国管理」(P.136「資料編2 組織・体制の拡充」))
『平成29年版入管白書「出入国管理」』によると、入国管理局関係の職員数は平成29年度で4,614人で、5年前の平成24年度の3,881人と比べ約19%、733人増加しています。
下図をみても、平成26年度以降は毎年だいたい200人ずつ増員されていることがわかります。
(出典:平成29年版入管白書「出入国管理」(P.138「資料編2 組織・体制の拡充」))
それが一気に500人規模の増員となるわけなので、インパクトとしては大きいといえます。
人事院は先日、2018年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)に合格したのは7782人で、前年度より577人増えたと発表しましたが、その数字が上記増員数にキレイに反映されていることがわかります。
筆者が接した法務省関係者の話によると、他の省庁は基本的に募集人数が減っているにもかかわらず、法務省入国管理局だけが募集を増やしているようですが、上記経緯を踏まえると納得できそうです。
『入国在留管理庁』には長官と次長が置かれ、その下に「出入国管理部」と「在留管理支援部」が設置される方針です。
「出入国管理部」は出入国に関する事務や不法在留の取り締まりなどを担当し、「在留管理支援部」は他省庁や地方自治体と連携し、在留管理体制の強化や在留外国人の生活環境整備等を進めていきます。
ちなみに、歴代の入国管理局長は、1999年以降、最高検察庁の検事がその大半を占めてきた経緯があるのですが、新たに設置される「長官」についてもそのような人事傾向は続くのでしょうか。そこまでは図りかねるのですが、外局となる以上、情報開示もより積極的に行われるべきですし、国民に一層広かれたクリアな組織になってほしいと思います。
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前回の記事(前編)では、外国人労働者を受け入れるための新たな在留資格や受け入れ分野についてご説明いたしました。
後編では、来年以降急増することが予想される外国人労働者の受け入れにあたり、どのような問題が想定されるのか、また、それに対して政府はどのように対処していく方針なのかについてみていきたいと思います。
新制度により新たに来日する外国人は、2025年ごろまでに50万人超に上る見込みといわれています。
現行制度で工場や工事現場等で働く外国人は大半が技能実習生なのですが、その総数が現在約27万人ということを考えると、いかに急増するかがうかがい知れます。
新在留資格(特定技能)で来日する外国人は、基本的には本国で大学等の高等教育機関(大学等)を出ていない若者たちが想定されます。そのような境遇・年齢から、初めて日本に来る方々が大半であると予想されるのですが、そこで想定される問題として挙げられるのが日本語や日本社会に対する理解不足や受け入れ体制の不備等に起因する生活トラブルや文化的摩擦です。
若い働き手として日本で働いてくれるのはありがたいですが、日本で働くということは、当然ながら日本で生活することを意味します。
外国人労働者問題についてスイスの作家マックス・フリッシュが語ったという有名な言葉に『我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった』という一節がありますが、労働力以前に、外国人(人間)としてどう受け入れるかが重要になってきます。
この問題に対して、政府は出入国管理体制を見直すことで、外国人単純労働者の大規模流入に備える方針を打ち出しました。
具体的には、現行の『法務省入国管理局』を『入国管理庁』に“格上げ”することで、入管政策の企画立案機能を高め、厚生労働省等の他省庁と調整する司令塔機能をもたせるといいます。
「局」が「庁」になったところで何が変わるのでしょうか?
現行の入国管理局が法務省の内部部局(内局)、つまり法務省の中の一部局であるのに対して、入国管理庁となると法務省からは独立した「外局」となるため、より専門的・強権的で独立性の高い事務を行うことができるようになります。(有名な外局に「特許庁」「文化庁」「気象庁」「公安調査庁」等があります)
とはいえ、ハコを変えただけでは意味がありません。
そこで、政府は入管実務にあたる入国審査官や入国警備官の人数も来年度以降段階的に増やし、業務量増加に備えるとしています。
そして、その動きは早くも数字に現れています。
最新の報道によると、人事院は本日(8月21日)、2018年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)に合格したのは7782人で、前年度より577人増えたと発表しました。
筆者は毎週東京入国管理局に出向いていますが、来年度以降、ニューフェイスの新人審査官が増えると思うと、入管の風景も随分と変わるのだろうと想像されるのです。
その他の受け入れ体制整備としては、受入れ企業、又は法務大臣が認めた登録支援機関が支援の実施主体となり、外国人材に対して、生活ガイダンスの実施、住宅の確保、生活のための日本語習得、相談・苦情対応、各種行政手続に関する情報提供などの支援を行う仕組みを設けるといいます。
なお、今回報道で「入国管理庁」と聞いたとき、筆者はどこかで見覚えがあるなと感じたのですが、じつは我が国には過去にも「入国管理庁」が存在したのですね。
(古い入管資料を調査した際に目にしたのが印象に残っていたようです)
それは、今からさかのぼることじつに67年前…。
写真は旧外務省外観(出所:「まちかどの西洋館別館・古写真・古絵葉書展示室」)
戦前、日本の出入国管理は内務省が管轄していましたが、戦後しばらくは連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の管理下に置かれていました。
しかし、1950年10月に外務省の外局として「出入国管理庁」が設置され、翌1951年11月に同庁が廃止され、同じく外務省の外局として「入国管理庁」が設置されました。
(当時は法務省ではなく、外務省の外局だったのですね!)
ところが、その入国管理庁も翌1952年8月には廃止されてしまい、法務省の内部部局へ移行し「法務省入国管理局」として再編され、現在に至ります。
わずか9ヶ月間で姿を消した幻の入国管理庁が、70年近く経って法務省外局として復活するわけですね。
そう思うと少しロマンも感じますが、現実問題はシビアな表情で目前にせまっています。
入国管理庁が、名実ともにその統率力を発揮することで、適正な在留管理が徹底されるとともに外国人の人権が護られ、私たち日本人と外国人が円滑に共生できるような社会が実現されることを望むばかりです。
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労働市場において「人手不足」という言葉をよく耳にするようになりました。
日本政府はこの人手不足を解消するための手段として、
外国人材の新たな受け入れを進めています。
日本の入管行政では、これまでも多くの外国人の就労を認めており、
現在は約128万人の外国人が日本で働いています。
※そのうち一番多い46万人は永住者等の身分に基づく在留資格、二番手は30万人で留学生等の資格外活動許可によるものです。
しかし、これまで就労ビザが認められてきたのは高度で専門的・技術的な分野に限られており、
いわゆる単純就労分野における就労ビザ取得は認められてきませんでした。
そのため、人手不足が深刻といわれる建設業や農業、介護等の分野で外国人を雇用しようとしても、
就労ビザは取得できないため、技能実習生として一定期間雇用するか、
活動内容に制限のない永住者等の身分系資格や、留学生等を資格外活動許可の制限内で働かせるしかありませんでした。
ところが、そのような状態にも限界が来てしまったようです。
特に建設業等の分野では就業者の高齢化により数年後には定年による一斉退職が懸念されているため、
現場からは「待ったなし」の声が極まりつつあったのです。
そこで、政府はついに単純就労分野での受け入れに大きく舵を切ることにしました。
『経済財政運営と改革の基本方針2018』(いわゆる骨太方針)によると、
「従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく」とし、そのために「就労を目的とした新たな在留資格を創設する」とのことです。
その新たなビザは、『特定技能』と命名される見通しです。
(これまでも「特定活動」や「技能」「技能実習」というビザが存在しているので、なんだか混同してしまいそうですが…。ビザは短く略称で呼ばれる慣習があるため、「特技」とでも略されるのでしょうか)
現在議論されているのは受け入れ分野です。
当初は5つの分野(建設・介護・農業・宿泊・造船)に限定されていましたが、最新の報道によると、さらに金属プレスや鋳造などの金属加工業や飲食業、食品加工業や漁業なども追加し、最終的には15分野ほどに拡大する方向で検討されているようです。
当初5分野の報道を受けて、「それなら我々も!」「私たちも!」と政府への陳情が相次いだことによるようです。
そうなると、もうほとんどの産業分野で受け入れが認められるように思われます。
政府は当初5分野の時点で、将来的に50万人超の新規受け入れを見込むとしていましたので、それが一気に15分野に拡がるとなると、優に100万人は超える推算もできるわけです。
工事現場はもちろんのこと、飲食店にも、ホテルにも、畑にも漁港にも、若い外国人たちの姿を見る日は遠くなさそうです。
そういった若い労働力が日本の経済社会基盤の維持・活性化のために貢献してくれると思えばとてもありがたいのですが、街の表情が変わるのは間違いなさそうです。
恩恵に期待するばかりではなく、受け入れ側となる私たちにも準備と覚悟が求められているといえそうです。
さて、それではこの『特定技能』ビザを取得する条件はなんなのでしょうか?
受け入れ分野も確定していない以上、もちろんまだ議論段階なのですが、
現時点では、取得条件として下記2パターンが検討されているようです。
?受入れ業種で適切に働くために必要な知識・技能及び日本語能力を有していること。
または
?技能実習(3年)を修了していること。
?については、業所管省庁が定める試験「特定技能評価試験(仮称)」(日本語能力については日本語能力試験等)によって確認するとされています。
つまり、所定のテストに合格すれば、たとえ学歴・職歴を有していなくても就労ビザが取得できるいうことのようですね。
上記条件に加え、既存の就労資格同様、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」という条件も課される見込みです。
この新しいビザは、来年(2019年)4月からスタートします。
政府は来春の制度開始に向け、今秋に想定される臨時国会に入管法改正案を提出する方針といいます。
正味あと半年ほどしかないにも関わらずあまりに未確定要素が多いわけですが、入管行政が事実上単純就労へ門戸を開いたことがとても大きな変化であることは間違いありません。
(筆者が行政書士業界に入った頃にはとても想像できませんでした。個人的には、外国人登録制度が廃止された2012年7月改正に匹敵する、もしくはそれ以上にインパクトのある大改正になると思います。)
しかし、今回の改正には反対意見も根強く、制度上の担保強化の必要性が主張されています。
次回の後編では、「本当にそんなにたくさん受け入れて大丈夫?」という観点から、もう少し掘り下げて検証していく予定です。
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以前のエントリーで永住ビザの審査期間に関してご案内しましたが、
ここ数ヶ月(申請日を考慮すると実際はここ1年ほど)で永住ビザの審査期間が非常に長期化しています。
直近で許可となった弊社取次の案件を例にとると、申請から許可(結果通知)まで約9ヶ月を要しております。
※この事例は東京入国管理局管轄の案件です。管轄する官署によって審査期間が多少異なるようなので、あくまで参考までにご理解ください。
また、他事務所の行政書士等も同様に平均して8〜9ヶ月かかっているとおっしゃっていました。
以前ご案内したとおり、法務省が公表している永住申請に係る標準処理期間は「4か月」ですが、さすがにこれでは現状との乖離が大きすぎるため、近々標準処理期間も見直されるべきものと思われます。
それにしても、なぜここまで審査期間が伸びてしまったのでしょうか。
もちろん本当のところはわかりかねるのですが、長期化のタイミングを考えると、その原因のひとつとして、平成29年4月26日付の「永住許可に関するガイドライン」改定があると考えられます。
以前当ブログでもご紹介したとおり、昨年4月にガイドラインが改定され、「高度人材外国人」に該当する方については最短1年で永住許可されるようになりました。
そのため、この特例(緩和要件)による申請が急増したことで、申請総数が一気に増えたため、審査遅延に拍車がかかったものと推測されるのです。
(実際に改定当初は弊社でもこの特例によるご相談・ご依頼が相次ぎました。)
当該特例による審査では、通常の要件確認に加え、高度専門職に相当する得点が認定できるか否かの審査も別途必要となります。既に高度専門職等を得ている方ならさほど審査に時間を要しないと思われます。しかし、そうでない方(すなわち、ガイドラインの(6)イまたは(7)イに該当する方)については、実質的に高度専門職への変更と同程度の実体審査が要求されるため、その分の審査に要する時間が加算されるのは当然の帰結といえるでしょう。
ただ、全体の審査期間が長期化することで、懸念点のない方(いわゆる許可相当案件)についても同様に時間がかかるわけですので、永住申請を検討するにあたっては、事前に最新の審査期間を踏まえてスケジューリングすることをお勧めします。
永住申請のタイミングについて検討されている方は、最新の審査動向を踏まえてアドバイスしますのでお気軽にご相談ください。
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その結果が、本日弊社に届きました。
無事に「許可」見込通知書をいただくことができました!
※通知書には結果は明確に書いていないのですが、「2、収入印紙」の箇所に「永住 8,000円」にアンダーラインがされていることで、永住許可がされる(見込みである)ことを確認することができます。
あとはこれを入管に持参すれば、新在留カードが交付され、その時点で晴れて「永住許可」されます。
(したがって、この通知書が届いた段階ではまだ正式に許可されたわけではありません。)
今回ご依頼いただいたお客様は、福島県内にお住まいの方だったのですが、2014年にご自身で永住申請されたところ、不許可となってしまったため、今回は失敗できないとのことで、遠方にも関わらず東京にある弊社にご依頼いただきました。
結果をお伝えしたところ、非常に喜んでおられました。
永住ビザの申請は一度失敗してしまうと、不許可という行政処分の記録が残る以上、許可されるまでの道のりは厳しくなるのが一般的です。
そのため、もし過去に不許可歴がある方は、まずは不許可の理由を正確に検証し、具体的な対策のもと再申請に臨む必要があります。
弊社は全国の入国管理局にて申請・許可実績が多数ございますので、遠方の方もご遠慮なくお問い合わせください。
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日本の医療費が外国人に食い物にされている?!
近時、このようなニュースを眼にすることが多くなっています。
報道によると、日本で安く医療を受けるために『留学』ビザを取得して来日する中国人が増加し、日本の医療費を圧迫しているといいます。
日本を訪れる中国人の間でとりわけ需要が多いのはC型肝炎で、特効薬のハーボニーは3カ月の投与で465万円かかるところ、国保に加入して医療費助成制度を使えば、月額2万円が上限になるため、そういった治療目的でビザ申請を行うケースもあるようです。
(出典:PRESIDENT Online)
もちろん、上記のような事例はごく一部の心無い人による行為かと思います。
しかし、一部のビザを除き、日本に在住する外国人は原則として国民健康保険の被保険者となることができるため、「健康保険証(国民健康保険被保険者証)」を取得すれば、来日間もない外国人であっても、日本人と同様に低い自己負担で医療を受けられるのは事実なのです。
たとえ外国人であっても、都道府県の区域内(つまり日本国内)に住所を有する者は、社会保険に加入している場合等を除き、都道府県の区域内に住所を有するに至った日から、国民健康保険の被保険者となるとされているからです(国民健康保険法5条、7条)。
それにしても、なぜわざわざ『留学』ビザを取得する必要があるのでしょうか。
日本で医療を受けたいのであれば、そのために用意された『特定活動』(告示25号)というビザ(いわゆる『医療滞在』ビザ)があるため、そのような専用のビザで来日すれば非難されるいわれはないはずです。
なぜ、前記『医療滞在』ビザではなく、ウソをついてまで『留学』ビザで来日するのか。
答えは、『医療滞在』ビザでは国民健康保険に加入できないからです。
つまり、『医療滞在』ビザでも来日できるが、それだと全額自腹で支払わなければならないため、忌避される傾向にあるのです。
◆国民健康保険法6条は「適用除外=被保険者となれない者」として以下の11パターンを規定しています。
第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「都道府県等が行う国民健康保険」という。)の被保険者としない。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者を除く。
二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の規定による被保険者
三 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)又は地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)に基づく共済組合の組合員
四 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
五 健康保険法の規定による被扶養者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。
六 船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者
七 健康保険法第百二十六条の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第三条第二項ただし書の規定による承認を受けて同項の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第百二十六条第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。
八 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の規定による被保険者
九 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者
十 国民健康保険組合の被保険者
十一 その他特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの
上記のうち、外国人については太字で示した11号にあたるため、さらに省令を確認する必要があります。
省令(国民健康保険法施行規則1条)は以下の外国人を「適用除外=被保険者となれない者」として列挙しています。
第一条 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号。以下「法」という。)第六条第十一号に規定する厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 日本の国籍を有しない者であつて、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五に規定する外国人住民以外のもの(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)に定める在留資格を有する者であつて既に被保険者の資格を取得しているもの及び厚生労働大臣が別に定める者を除く。)
二 日本の国籍を有しない者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの(前号に該当する者を除く。)
三 日本の国籍を有しない者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(十八歳以上の者に限り、第一号に該当する者を除く。)
四 日本の国籍を有しない者であり、かつ、前号に規定する者に同行する配偶者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(第一号及び前号に該当する者を除く。)
五 その他特別の事由がある者で条例で定めるもの
上述した『医療滞在』ビザは太字で示した2号が該当するため、国保には加入できないのです。
★なお、『短期滞在(いわゆる観光ビザ)』や3ヶ月以下の在留期間のビザも被保険者になることはできません(同条1号)。
同じく『特定活動(観光・保養を目的とするロングステイビザ)』(告示40号・41号)も国保には加入できないため、全額自己負担となります(同条3号・4号)。
一方で、『留学』ビザを含む中長期在留者については、上記適用除外とはならいため、外国人であっても国保に加入することができます(というよりも、加入しなければなりません)。中長期在留者の中でも、『留学』ビザは比較的取得のハードルが低いため、日本の国保に加入する"手段″として『留学』ビザが悪用されてしまっているのです。
まじめに勉強に励む留学生がたくさんいる一方で、上記のような不届き者もいるわけです。
留学生のビザ申請をお手伝いすることも多い私たちとしては、なんともやるせない気持ちです。
このような現状に対して、国会議員の中には在日外国人に国保は適用すべきでなく、新たな医療保険を用意すべきだとの声もあがっているといいます。(参考:zakzak by夕刊フジ)
前回のエントリーで紹介したとおり、来年創設される新たな就労ビザにより、今後外国人の急増が予想されています。現在の状況を放置すれば、外国人の増加が社会保障費のさらなる増大を加速化することになりかねません。
「すべての国民に一定水準以上の平等な治療を提供する」
この社会的理念に基づく国民皆保険制度は、日本が世界に誇る"助け合いの仕組み”です。
私たちがこれからも安心して医療を受けられるようにするためにも、
助け合いの調和を乱す不届き者は排除しなければならないはずです。
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報道によると、政府は23日、技能実習を終えた実習生など一定の技能を持つ外国人を対象に、国内での就労を認める在留資格を新たに創設する方針を正式に示しました。
(出典:日本経済新聞)
これまでは、(入管法上)専門的な知識や技術等を要しないとされる、いわゆる単純就労(現業)と呼ばれる現場業務については、それに従事することを目的とした中長期滞在ビザは用意されていませんでした。
しかし、新たなビザが創設されることにより、現業であっても既存の就労資格と同様に中長期的な滞在が可能となるため、労働力の確保・定着化につながることが期待されています。
一方、今後急激な増加が見込まれる外国人労働者の管理体制の強化に向けて、法務省は、厚生労働省や市区町村と連携して雇用や婚姻などの状況を一元的に把握するための新たな対策案をまとめました。
(出典:NHK NWES WEB)
これまでも、外国人労働者を雇用した企業には厚生労働大臣(ハローワーク)への届出義務が課されており、違反者には30万円以下の罰金も規定されています(雇用対策法28条1項、40条1項2号)。
しかし、外国人の在留管理全般は法務省(入国管理局)、雇用管理は厚生労働省、住民登録や国民健康保険は市区町村、というように管轄が分かれていたため、一元管理ができる体制ではありませんでした。
そこで、今後はそれぞれの機関の相互連携を更に強化し、違反状態が発覚した場合はすみやかに対処・改善できるよう、調整が進められているというわけです。
★この管理体制強化対策の対象者は、永住者も例外ではなく、報道によると、永住許可後にも資格を取り消すことができる新たな仕組みを設ける方向で検討が進められているとのことです。
(出典:NHK NWES WEB)
具体的なところは明らかではありませんが、おそらく日本人の配偶者等の身分で永住ビザを取得後、(永住許可に際して前提条件となっていた)実体を伴った婚姻生活が維持継続されていない場合や、早々に離婚した場合。
その他高度専門職等の緩和要件で永住許可後、契約機関で稼働実体が長期間確認できない場合や、許可時の見込みに反して早期に退職した場合等が取消しの対象になるのではないかと推測しているところです。
国際慣習法上、外国人の入国・在留の許否は当該国家の自由裁量により決定することができると解されています。
すなわち、どのような外国人を受け入れ、どのような外国人を排斥していくかは、基本的にはその国が自由に決めることができるのです。
したがって、上記のような在留管理の一元化・強化が行われ、場合によっては永住ビザでも取り消すことができるとすること自体は、何ら問題でもありませんし、むしろ主権国家として当然な姿ともいえます。
大切なのは、そういった時代の変化に即応し、不測の不利益を被ることがないよう、正しい情報のもと留意と対策を続けていくことではないでしょうか。
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◆永住ビザの相談は、『永住ビザJAPAN』へ◆
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]]>東京オリンピックの開催に向けた動きもあり、都心の環境は絶えず変化し続けています。
しかし、ここ東京入国管理局近辺は、あまり大きな変化はないようです。
以前のエントリーで、品川埠頭唯一の食堂(湾岸労働者のオアシス)『品川台場食堂』を紹介しました。
今回はここの筆者イチ押しのメニューをご紹介します。
大衆食堂の定番「豚ロースカツ定食」です。
品川台場食堂といえば、日替わりランチ(A〜D)が人気なので、以前は日替わりランチの中から選んでいたのですが、この豚ロースカツ定食と出会ってからは、これしか頼まなくなりました(料金は日替わりと同じです)。
まるでレプリカのようなきれいな切れ目と、塩コショウの下味がしっかりついた肉がポイントです。
店主のこだわりとか、素材のアピールとかが一切ない素朴な味が、望郷の念を誘います。
人気メニューなのか、せっかく楽しみにしていたのに早々に売り切れになる日もあります。
そんなときは、めげずに少し足を伸ばします。
品川埠頭の京浜運河沿い、真上に新幹線が走る高架下近くに、その店はあります。
お持ち帰り専用の海鮮丼屋さんです。
場所柄、ちょっとアウトレイジな雰囲気が漂うロケーションながら、
元気な店員さんが明るく出迎えてくれます。
ここのお勧めは「トロトロ丼」です。
ちょっと前までは550円だったのですが、最近少し値上げしました。
店内で食べることはできないので、食べる場所は買ってから探します。
でも、
これから暑くなりますから、今後は食べる場所を決めてから買うようにします。
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◆永住ビザの相談は、『永住ビザJAPAN』へ◆
-------------------------------------------------
]]>この審査プロセスは永住ビザに限らず、基本的にすべての在留資格に共通していますので、流れを理解しておくことで申請する側の心構えが備わるのではないかと思います。
さっそくみていきましょう。
【1】基調調査
申請が受付されると、申請内容や申請人の状況に応じて、審査の参考となる資料(たとえば、過去の申請資料や届出情報等)を抽出します。もし管轄が異なる場合(たとえば、前回は大阪入管管轄、今回は東京入管管轄等の場合)は、当該地方局等の長に対して資料の送付を依頼します。ただし、立証資料等により在留資格該当性及び基準適合性が明白であり、かつ、在留状況に問題がないと認められる場合は、これら資料の到着を待たずに処分を行うことができるとされています。
【2】受け付けた案件の振分け
申請受付後、所要の電算処理を行った上で、速やに『振分け担当者』が案件の振分けを行います。
具体的には、状況に応じて下記のとおり4つの分類に振り分けられます。
《A案件》許可(交付)相当の案件
《B案件》慎重な審査を要する案件(いわゆる慎重審査案件)
《C案件》明らかに不許可相当の案件
《D案件》資料の追完を要する案件
※詳しくは以前のエントリーをご参照ください。
【3】実体審査
上記【2】で案件を振り分けられた担当審査官が審査を行います。
具体的には下記プロセスで審査が進められます。
また、必要に応じて実態調査(家庭・職場訪問等)が行われます。
?事実認定
それぞれのビザには要件(法令上の条件)が規定されています。審査では、個々の事案がそれらの要件に適合するかが判断されるのですが、その前提として、当該要件に当てはまる事実の存否が問題となります。そのため、前提となる事実の把握(=事実認定)が客観的・公正に行われることが審査において何よりも重要であるとされています。
事実認定は、具体的に下記要領で進行されます。
(1)立証資料(書類)による事実認定
(2)実態調査による事実認定
(3)蓄積した情報による事実認定
(4)社会通念・常識による事実認定
(2)〜(4)からわかるように、審査(事実認定)は提出した書類だけで行われるわけではありません。提出する書類を適正に作成することはもちろん重要ですが、(3)にあるように入管が既に掴んでいる情報との整合性も問われてくるのです。私たちが過去の申請経緯や申告内容との齟齬に注意を払うのはそのためです。
また、上記のなかでも興味深いのは(4)です。(1)から(3)までの事実認定に際して、判断に迷うことがあれば、入管も最終的には“世間一般の常識”に沿って判断しているということがわかります。
いくら法令に規定がないからといって、あまりに非常識な判断をされたらとても納得できませんよね。この点は、裁判官についても経験則・論理則(平たく言えば常識)に反する認定は法令違反とされることがあるという点と通底しているように思います。
?法令への当てはめ
前記のようにして事実を確認した上で、最後にその事実を法律・規則等に当てはめるのが審査の仕上げです。
なお、入管の内部基準である審査要領(第1編第2節)には、「行政処分については、法令が明示する要件以外の要件は一切あり得ない」と明記されています。
入管実務を行う上で、法令の知識や正確な解釈がいかに重要であるかを再認識させられます。
?処分
上記??の結果、要件に適合していると判断された場合は『許可(交付)』処分を、不適合と判断された場合は『不許可(不交付)』処分がなされます。
処分(行政処分)は必ず法令の明文の規定に基づき行われなければならず、特に不利益処分(不許可等)を行うにあたっては、法令の定めるいずれの要件に適合しないのかについて、正確な事実認定に基づいて判断した上で、申請人に対しても理由(どの要件に適合しないのか)を明示しなければならないとされています。
処分の結果によっては、申請人の人生を大きく左右することになるわけなので、それだけに正確さや慎重さが求められるわけです。
【4】事案概要書等の作成
所要の審査を終えたときは、当該案件を担当する入国審査官は、認定した事実及び審査上の留意点等を踏まえ、これらに基づく措置方針を記載した事案概要書(下記)を作成の上、起案するとされています。そして、最終的には決裁者がこの事案概要書の記載等を踏まえて総合的に判断し、決裁を行うことで処分が決定することとなります。
なお、不許可(不交付)処分の際も上記事案概要書が作成されるのですが、私たち行政書士が申請人に代わって不許可(不交付)理由を当局にてヒアリングする際、説明を担当する審査官も多くの場合この事案概要書を手にしながら説明を行っています(ただし、私たちが直接この書類を閲覧することは原則認められません)。
以上、審査プロセスの概要をご説明しました。
私たち行政書士は、プロとして依頼を受けて申請をお手伝いしています。
そのため「申請したらそれでおしまい、あとは審査官の判断にお任せ」では、あまりに無責任です。
実際に審査官がどのように事件を処理し、どのような方針のもと何を拠り所として審査を進めているのか、その全過程を先回りして依頼人の利益につながるように最大限アシストすることが、私たちの使命であり、存在意義であるはずです。
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以前のエントリーでご紹介したとおり、入管法上は「法務大臣」となっています。
しかし、実際は地方入国管理局に配属された「入国審査官」が実体審査を行っています。
そのため、申請する側としては、入国審査官に対してビザ取得の要件充足を主張立証していくことになるのですが、入国審査官が許否(許可するか否か)を判断する場面において、“心証(しんしょう)”という言葉が使われることがあります。
「このような対応は審査官の心証が悪くなる(心証を害する)」
「こうした方が審査官の心証にいい影響がある」
などという使い方をされることが実務の現場では多いです。
この“心証”という言葉、日常生活ではあまり聞き慣れないかもしれません。
一般的に「心にうける印象」という程度の意味でも使われることはあるのですが、
じつは、(本来は)法律用語として裁判官について使われている言葉なのです。
具体的には、裁判官が訴訟において事実認定をし、判決をくだすにあたって拠り所とする内心的判断のことを意味します(自由心証主義といった使い方がされています)。
それが、いつの間にか専門官庁における審査官(入国審査官や特許庁の審査官など)や審判官に対しても使われるようになったわけです。
裁判において勝訴か敗訴か、有罪か無罪か、といった判断がくだされるのと同じように、在留資格の審査に際しても、「許可(交付)」か「不許可(不交付)」か、基本的にはふたつにひとつ、白黒ハッキリつけなければなりません※。
そのため、入国審査官のような特に専門性が高い行政機関の審査官についても、裁判官に類するものとして“心証”という言葉が使われるようになったのかと想像されます。
※正確には、「許可(交付)」「不許可(不交付)」の他に「終止」(申請取り下げや申請人死亡等)という処分もあります。
上記の入国審査官の“心証”をイメージしやすいように、“心証メーター”なるものを図式化してみました。
※上記はあくまでイメージです。絵が下手なのはお許しください。
もちろんこのようなメーターが実際に存在しているわけではないのですが、審査官の内心的構造を視覚化することで、審査や申請に対する心構えが少し変わってくるかもしれません。
それでは、上記図から、どんなことが見えてくるのでしょうか。
上記のとおり、基本的に在留審査における処分は、基本的には「許可(交付)」か「不許可(不交付)」のふたつにひとつです。
したがって、極論としては、たとえどんなにスレスレでも、最終的に許可の方向に1ミリでもメーターが振られれば、「許可(交付)」という処分がくだされるわけです。
実際に、難案件や複雑な案件、許否が微妙な案件(いわゆる慎重審査案件)ほど、ギリギリのところで許可の方向に振り切られたのだろうと推測される事案が少なくありません。
たしかに付与される在留期間の長短という面でのグラデーションこそありますが、最終的に「許可(交付)」を得ることが目的なのであれば、何も許可の方向に大きく振り切って(上記図でいうところの「10点」や「9点」で)認定される必要はないのです。
「10点」で許可されようが、「1点」で許可されようが、『許可』という行政処分に変わりはないからです。
むしろ難しい事案こそ、あえて「1点」や「0.5点」あたりのギリギリラインを狙っていった方が効果的なこともあります。
無理に高得点での許可を狙うあまり、不要な書類を過度に添付してしまうことで要点が不明確になり、審査遅延を招くこともあるからです。
およそ何点での許可を狙っていくか、このあたりの実際の“さじ加減”は実務上の経験則によるところも大きいため、ここで詳しく説明することは難しいのですが、上記のようなメーターをイメージいただければ、審査官の胸の内は何となく想像できるのではないでしょうか。
『彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず』(孫子)ということわざが教示するとおり、自身の状況だけでなく、相手(審査官)の考え方や審査動向を先回りしてイメージしておくことは、良い結果を勝ち取るためにとても重要です。
次回は、上記“心証メーター”を踏まえ、入国審査官の審査プロセスについて、より詳しくご説明する予定です。
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]]>東京入国管理局においても、少しずつ平常運転に戻りつつあるように感じます。
同時に、この時期は永住ビザの条件のひとつである来日10年の節目を迎えられる方が多いタイミングでもあります。
(留学生や新社会人として来日された方は、4月入学・入社のタイミングで来日されることが多いからです)
そのため、例年4月〜6月は永住や帰化の問い合わせが増える時期でもあります。
永住ビザの申請を検討されている方から決まって受ける質問として、「永住ビザの審査にはどれくらいの時間がかかりますか?」というものがあります。人生設計の中で永住ビザ取得を目指す方も多いので、やはり申請から結果(許可・不許可)までの時間は気になるものですね。
行政手続に関する審査に要する期間を『標準処理期間』といいます(行政手続法6条)。
永住ビザの審査に関する標準処理期間については、法務省HPで公表されています。
それによると、標準処理期間は「4か月」とされています。
たしかに、案件によっては(特に懸念事項が少ない事案の場合)4か月前後で許可されるケースは少なくありません。
また、各入国管理局の管轄によっても大きな差があります。
たとえば、四国4県を管轄する高松入国管理局では、わずか5週間で永住許可された事案もありました。
なお、東京入国管理局管轄下においては、おおむね「6か月」が目安となっております。
実際に東京入管永住審査部門の担当官も、約半年かかっているのが現状との見解を示しています。
これはあくまで東京入国管理局における一般的な感触なのですが、許可される見込みが高い案件については、早くて4か月、遅くとも6.5か月ほどで結果(許可)が出ている一方で、7ヶ月を過ぎると不許可の可能性が一気に高くなる傾向にあります。
それでは、なぜこのように審査期間に大きな差が生まれているのでしょうか?
もちろんそれは対象事案の状況や性質、難易度等によって審査に要する時間が異なるからなのですが、それは具体的に審査プロセスどの段階(時点)で決まるものなのでしょうか?
★じつは、意外と早く、しかも審査の最初の入り口部分において、ある程度審査の方向性が決められているのです。
この事実は永住ビザに限らず、すべてのビザ申請において共通する重要な観点ですので、今回はその点について少し掘り下げてご説明いたします。
イメージしやすいように、実際の申請手順に沿って見ていきましょう(以下、審査要領をもとに構成)。
【1】まず、ビザを申請するためには、申請書の作成に加え、所定の添付書類(証明書類等)を準備する必要があります。
【2】申請書類の準備ができたら、管轄する入管に持参し、窓口にて申請します。申請書及び添付書類が問題なくそろっていれば、入管にて申請が「受付」されます。
【3】申請を受け付けたときは、所要の電算処理を行った上で、速やに『振分け担当者』が案件の振分けを行います。
★ここでいったんストップしましょう。誰か出てきましたね。
そうです。ポイントはこの『振分け担当者』という登場人物です。
『振分け担当者』とは、申請案件の振分けを行うのに適切な者として首席審査官又は所長が選出・指名した審査官のことをいい、迅速かつ適切な振分けの実現を図り、効率的な審査に努めることを使命としています。
申請案件の本質を短時間で見極め、その後審査方針を決定するわけですから、相当な切れ者であるに違いありません。
このように、すべての申請案件は、この最初の時点で今後の方向性を決められてしまうわけです。
【4】振分け担当者は、A案件に振り分けた案件を速やかに決裁に回付し、Aを除く案件に振り分けたときは、速やかに担当者を決定し、配分します。
★はい、ここでも聞き慣れないキーワードが出てきました。「A案件」とはいったん何でしょうか?
じつは、申請されたすべて案件は、振分け担当者により下記4つの分類に振り分けられるのです。
《A案件》許可(交付)相当の案件
《B案件》慎重な審査を要する案件(いわゆる慎重審査案件)
《C案件》明らかに不許可相当の案件
《D案件》資料の追完を要する案件
【5】上記のうちD案件に振り分けられた案件について、振分け担当者等は、追完資料の提出後ただちにA,B又はC案件への振り分けを行い、処理の促進を図ります。
【6】上記【5】によりB又はCへ振り分けられた案件については、担当する審査官が引き続き審査を行い、最終的に法務大臣又は地方入国管理局長が許否の決定を行います。
以上が審査の具体的なプロセスです。
わかりやすいように上記フローを下記に整理してみました。
上記のように、審査をスムーズに切り抜けるためには、入り口部分でなるべくA案件に振り分けてもらえるよう、申請書類をしっかりと準備することが何よりも重要です。
しかし、仮にB案件に振り分けられてしまったとしても、的確なフォローにより最終的に許可にもっていける可能性は十分にあります。
そのため、私たちはA案件への振り分けを第一に目指しつつも、B,C案件になる見込みが高い案件に関しては、如何なるフォローが効果的か、他に主張すべき積極要素はないか、専門知識や経験をもとに検討・判断した上で申請に臨んでおります。
大切なのは、上記振り分け制度を正しく理解した上で、先回りした対策のもと申請書類を戦略的に構成していく姿勢なのです。
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法務省入国管理局は、3月27日付けのプレスリリースにて、『平成29年末現在における在留外国人数について(確定値)』を発表しました。
公表によると、平成29年末の在留外国人数は、256万1,848人で,前年末に比べ17万9,026人(7.5%)増加となり過去最高の数値となったとのことです。
そのうち、永住者は74万9,191人で、在留資格別の人数ではダントツの1位(構成比29.2%)です。
昨年のエントリーでもご紹介したとおり、在日外国人のうちおよそ3人に1人が永住者という状態です。
永住者の人数は一昨年(2016年)末と比べて2万2,080人増加したとのことですので、残念ながら不許可となってしまった事案も含めると、昨年中だけでも3万件近くの永住許可申請(取得含む)が行われたものと推測されます。
さて、今回の統計のなかで注目してみたいのは、外国人の住所の比率です。
外国人がもっとも多い都道府県は「東京都」で構成比21%です。
在日外国人のうち、5人に1人が東京都に住んでいるわけですが、
2位「大阪府」(9.5%)、3位「愛知県」(8.9%)とやはり大都市が続きます。
4位以降は、4位「神奈川県」(8.0%)、5位「埼玉県」(6.5%)、6位「千葉県」(5.7%)と関東勢が占めているのですが、東京入国管理局が管轄する10都道府県のうち、7都道府県が上位10位にランクインしており、人数比率も既に約50%に迫っていることから、全国に8つある地方入国管理局の中でも東京入国管理局が扱う比率の多さに改めて驚かされます。
(どうりで毎日あれだけ混み合うわけだと、納得できるわけです…)
※統計の詳細はこちらで確認できます。
なお、昨年もっとも外国人が増えた都道府県は、意外にも「熊本県」でした(前年比 16.5%増)。
反対に、もっとも外国人が減ってしまった都道府県は「長崎県」とのことです(前年比12.9 %減)。
在住外国人の人数については、都道府県によって毎年多少の増減はあるのですが、じつは、今回の長崎県のような10%台の減少はめったにありません(少なくともここ5年間の統計ではここまでの減少はみられません。)。
…いったい長崎県に何があったのでしょうか。
真相はわかりませんが、この統計を眺めていると、日本で暮らす外国人の“今”が見えてきます。
毎年3月に法務省プレスリリースにて発表されていますので、チェックしてみると意外な発見があるかもしれませんよ。
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]]>申請書の1枚目冒頭(左上)には、通常、あて先となる行政機関の長の名称を記載する欄があるのですが、永住ビザとその他のビザ申請では、あて先の名称が異なることをご存知でしょうか?
おそらくこの違いを意識する人は少ないでしょうし、知っていたからといって何か得するわけではないのですが、その違いの理由を辿ることで、永住ビザの特殊性を垣間見ることができるので、豆知識としてご紹介します。
それでは、最初にビザ変更の際に提出する「在留資格変更許可申請」の申請書の記載を見てみましょう。
上記で赤く囲ってあるとおり、あて名は『○○(地方)入国管理局長』となっています。
※○○には東京や大阪など、地方入国管理局の管轄名称(全国で8箇所)を記載します。
そして、許可された際に交付される在留カードにも、同様に地方入国管理局長名が記載されます。
なお、ビザ変更以外の、在留期間更新、在留資格取得、資格外活動許可等の各申請書も地方入国管理局長宛となっております。
次に「永住許可申請」の申請書の当該箇所を見てみましょう。
上記のとおり、永住ビザ申請の際は、地方入国管理局ではなく、『法務大臣』宛となっています。
そして、同じく許可された際に交付される在留カードにも『法務大臣』との記載があります。
このように、永住ビザとその他のビザ申請では、申請時のあて名及び許可主体(許可をする者)が『法務大臣』か『地方入国管理局長』かで異なるのです。
ちなみに、許可のみならず不許可主体も同様に異なります。
下記「不許可通知書」に記載のとおり、変更(上)は地方入国管理局長、永住(下)は法務大臣の名で処分がされています。
それでは、なぜこのような取扱いの違いが生じているのでしょうか?
以下にその理由を探っていきましょう。
ビザ手続きはすべて入管法令(入管法や法務省令等)で規定されていますので、まずは入管法の規定を確認する必要がありそうです。
先に見た在留資格変更に係る条文を参照してみましょう(下線太字引用者)。
(在留資格の変更)
第二十条 在留資格を有する外国人は、その者の有する在留資格(これに伴う在留期間を含む。以下第三項まで及び次条において同じ。)の変更(高度専門職の在留資格(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イからハまでに係るものに限る。)を有する者については、法務大臣が指定する本邦の公私の機関の変更を含み、特定活動の在留資格を有する者については、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動の変更を含む。)を受けることができる。
2 前項の規定により在留資格の変更を受けようとする外国人は、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し在留資格の変更を申請しなければならない。ただし、永住者の在留資格への変更を希望する場合は、第二十二条第一項の定めるところによらなければならない。
3 前項の申請があつた場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。
あれ、おかしいですね…。
条文では地方入国管理局長ではなく、『法務大臣』に対して申請するとされています(2項)。
また、許否の判断主体も地方入国管理局長ではなく、『法務大臣』のようです(3項)。
ちなみに、在留期間更新(21条)や資格外活動許可(19条2項)等も同様に法務大臣となっています。
はて、、
永住ビザ申請の条文はどうでしょうか?
(永住許可)
第二十二条 在留資格を変更しようとする外国人で永住者の在留資格への変更を希望するものは、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し永住許可を申請しなければならない。
2 前項の申請があつた場合には、法務大臣は、その者が次の各号に適合し、かつ、その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合においては、次の各号に適合することを要しない。
一 素行が善良であること。
二 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
3 法務大臣は、前項の許可をする場合には、入国審査官に、当該許可に係る外国人に対し在留カードを交付させるものとする。この場合において、その許可は、当該在留カードの交付のあつた時に、その効力を生ずる。
こちらもやはり宛て先、許可主体ともに『法務大臣』となっていますね。
このように、法律の条文上はどちらも『法務大臣』となっているのに、どうして先述のような違いが生まれることとなったのでしょうか?
★その理由は、入管法上、法務大臣の権限の一部が地方入国管理局へ委任※されているからです。
※「委任」(=権限の委任)とは、行政庁がその権限の一部を他の行政庁に委譲すること。権限の委任があったときは、受任機関が自己の名と責任においてこれを行使する。
先に見たとおり、本来は(条文上は)原則としてすべてのビザ手続きについて、法務大臣が自ら、その名において審査・処分をしなければなりません。
しかし、日々膨大な数のビザ申請が行われるなかで、そのすべての事案について法務大臣が主体的に審査することは現実的ではありません。
そこで、法務大臣の各種権限の行使に係る事務処理の合理化を図るため、法務大臣の権限を地方入国管理局長に委任することができることとしたのです(69条の2)。
したがって、上記の在留資格変更や在留期間更新等の場面については、その権限が法務大臣が地方入国管理局に委任されているため(入管法施行規則61条の2)、法務大臣ではなく地方入国管理局長があて先であり、許否の判断主体となっているわけですね。
それでは、なぜ永住ビザ申請はその権限が地方入国管理局長へ委任されなかったのでしょうか?
言い換えれば、なぜあて先や許否主体が『法務大臣』のままとなっているのでしょうか?
★ここに永住ビザの特殊性を裏付けるミソが隠されています。
なぜ永住ビザは法務大臣あてに直接申請し、法務大臣が直接許可・不許可処分を行うのか。
その理由は、永住許可については、「申請を行った外国人の永住が日本国の利益に合するか否かという高度な判断が求められ、こうような判断は、法務大臣の責任でその名においてのみなすべきものである」と考えられているからです(実務六法)。
永住ビザについての審査は、いわば入管として外国人の在留に関する最終の審査になることから、他のビザとは比べ物にならないほど、厳格かつ適切に行われる必要があります。
だからこそ、永住ビザについては、地方入国管理局長任せにせず、法務大臣が自ら責任をもって判断しているわけですね。
実際の審査実務上も、永住ビザ申請案件については、『全件本省進達』※として扱われています(審査要領)。
そのため、永住ビザの申請書類は、全国どこの入管に提出しても、原則としてすべて東京の法務省(本省)に送られ、法務大臣の名において審査・処分がされることになっています。
※「進達」とは、下級の機関から上級の機関に一定の事項を通知し、又は一定の書類を送り届けること。
このように見てみると、永住ビザの特殊性や重要性が改めて理解できるものと思います。
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]]>お花見の席では、満開の桜をバックに、InstagramやFacebookに写真をアップする人も多いと思います。
“インスタ映え”という言葉もすっかり定着していますが、SNSとビザについて政府のある提案が話題になっています。
ビザの申請人は、過去5年間に利用したすべてのSNSのIDを、審査機関に提出しなければならなくなるかもしれません。
このほか、過去5年間の電話番号や電子メールアドレス、海外渡航歴なども記載が求められる可能性があります。
――といっても、これはアメリカの話。
報道(ロイター)は次のように伝えています。
米連邦政府はビザ申請者から収集する情報の拡充に向け、ほぼすべての申請者にソーシャルメディアIDの提示を求めることを提案している。29日付の国務省の連邦公報で明らかになった。
提案が行政管理予算局(OMB)に承認されれば、移民・非移民を問わずほぼすべてのビザの申請者は過去5年間に利用したすべてのソーシャルメディアIDの記載が必要になる。このほか、過去5年間の電話番号や電子メールアドレス、海外渡航歴なども求められる。
テロなど凶悪な犯罪を防止するためには、渡航者から一定の情報を入手して管理する必要はあるでしょう。
しかし、利用範囲や当局の適用基準が明確でないと、国籍や思想・信条等によって差別的な取扱いがなされるおそれもあります。
もしこのような運用を日本の法務省入国管理局も導入したら、と考えるとどうでしょうか。
入管法は「出入国の公正な管理」(1条)を目的に掲げていますが、「公正」さとは何か、「管理」はどこまでが許容されるのか、など、議論されるべき点は多いはずです。
米国政府の上記提案が承認されるかはまだわかりませんが、
裏を返せばSNSの情報発信力・吸引力をそれだけ国家が重視しているということになります。
パブリックコメントの受付は5月29日までとのことなので、
今年の夏休みまでには結論が出ているものと思われます。
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実際に、永住ビザ申請前の段階において、犯罪歴が与える影響について質問を受けることは多いです。
しかし、永住ビザ取得後の犯罪歴については、あまり心配される声を聞きません。
永住ビザをとれば、ずっと日本にいられる。
こういった安心感があるからでしょうか。
★しかし、前々回のエントリー(永住ビザ取消し)でも触れたとおり、たとえ永住者であっても法律上「外国人」である事実に変わりはありません。したがって、永住者であっても、退去強制事由に該当すれば、日本国からの退去を強制されることがあります。
永住者である以上、日本に生活の本拠があり、公私ともに日本に定着して暮らしているはずです。
仕事も家族も友人も、その多くが日本にあるはずです。
それなのにも関わらず、国家により、強制的に国外へ追い出されてしまうわけです。
◆「退去強制」とは、「国家が好ましくないと認める外国人を行政手続きによりその領域外に強制的に退去せしめること」をいいます(実務六法)。
俗に「国外追放」「強制送還」ともいわれるこの処分は、生活の基盤・日々の営みそのものを根こそぎ奪い去ってしまう、それだけ重たいものなのです。
★さらに、永住者であっても該当しうる重大な不利益処分は、退去強制だけではありません。
上陸拒否事由に該当すれば、日本に上陸することすらできないのです。
(たとえば、一時帰国や旅行等で自らの意思で出国した場合に、再来日ができないこともありえます)
だからこそ、どのような場合に退去強制や上陸拒否に該当してしまうのか、事前にしっかりと確認・認識し、万一のリスクに備えておくことが重要なのです。
あとから、「そんなの知らなかった…」では、あまりに苛酷にすぎます。
自分自身はもちろん、残された家族や友人、職場仲間らにとっても。
それでは、さっそく確認していきましょう。
↓ ↓ ↓
まず、退去強制事由からみていきます。
具体的な退去強制事由は入管法(24条)に列挙されています。
号数だけでも19事由、さらに細分すると40以上もの多数の項目が挙げられています。
すべてが永住者をも対象に含むものではありませんが、上述のとおり対象はあくまで「外国人」であるため、主体が限定されている事由を除き、永住者も該当することになります。
今回は、なかでも特に永住者も該当する蓋然性が高い事由をピックアップします。
それは、『無期または1年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者』(4号リ)です。
(ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者及び刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者であつてその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間が一年以下のものを除く。)
いわゆる犯罪歴ですから、私には関係ないと思われるかもしれません。
★しかし、法務省公表の統計によると、毎年50〜60人の外国人が、上記4号リを主たる適条として実際に退去強制令書により送還されています。
公表されている直近の2016年年次統計によれば、4号リを適条としては51人ですが、4号チ及び同号リ(薬物犯罪や売春罪等)適条事案を含むと168人が送還されていると公表されています。
この中には、永住者も含まれる可能性があります(ただし、在留資格の内訳は公表されていないため、確認できているわけではありません。)
そのように考えられる根拠は、永住者以外、すなわち「別表第1上欄の在留資格をもって在留する者」で犯罪を犯した者であれば、上記事由とは別の4号の2を適条として処理されるケースが大半であると推測されるからです。
※4号の2は、窃盗や傷害等、刑法等に定める一定の罪を犯し、懲役又は禁錮に処せられ、執行猶予や1年以下の刑を含めて対象とするものであるため、上記4号チよりも適用範囲が広いです。実際に、4号の2を適条として、2016年には77人が送還されています。
※なお、退去強制事由でもっとも多いのは4号ロ(いわゆるオーバーステイ)で5,268人、続いて1号(不法入国者)の520人、4号イ(いわゆる専従資格外活動罪)の452人です(いずれも2016年)。
それでは、続いて上陸拒否事由についてみていきます。
◆「上陸拒否事由」(5条)とは、「我が国の利益又は公益を守る観点から、上陸を禁止すべき外国人」(実務六法)を列挙したもので、号数だけでも17事由が挙げられています。
そのなかで特に永住者が注意すべきは、下記事由です。
「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。ただし、政治犯罪により刑に処せられた者は、この限りでない。」(5条1項4号)
上記の退去強制事由(4号リ)とよく似ていますが、大きな違いがあります。
★それは、?「1年」の懲役等も含まれることと、?執行猶予等も含むという点です。
すなわち、上陸拒否事由の方が、退去強制事由よりも適用範囲が広い(=該当する蓋然性が高い)のです。
特に?は注意しなければなりません。
本号でいう「刑に処せられた」とは、歴史的事実として刑に処せられたことをいうため、刑の確定があれば足り、刑の執行を受けたか否か、刑の執行を終えているか否かを問わないのです。
したがって、執行猶予期間中の者、執行猶予期間を無事に経過した者等も含まれます。
そのため、
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出来心から犯罪を犯してしまい、裁判で有罪が確定してしまったが、執行猶予をもらったからひとまず安心して母国に一時帰国したら、上記事由に該当することが発覚し、日本に戻って来れなくなってしまった…。
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そんな話も可能性がゼロなわけではないのですね。
上陸拒否のシーンは、いわば水際対策です。
そのため、我が国は、犯罪を犯したという事実を「反社会性の徴表」として、(永住者を含む)外国人の入国をその水際で厳しく管理しているわけです。
以上、永住者でも退去強制や上陸拒否の処分がされる可能性がある事由について解説しました。
もちろん、賢明な読者の皆さんは上記のような事態に陥ることはないと存じますが、
永住ビザを取得した後でも、日本での生活の基盤を失いかねない行政処分及び根拠法令が存在するという事実を再認識いただき、安心して日々の生活を送っていただきたいと考え、あえて“万一の事態”についてご紹介いたしました。
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]]>「刑罰を受けた場合でも、5年以上経過すれば永住申請できると聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?」
特に車を運転される方で、交通違反経歴がある方等からこのようなご質問を受けることがあります。
また、5年あるいは10年経過していれば犯罪歴が解消?されるといった話をされる方もいるようです。
いくら後悔しても、過去のあやまちを消すことはできません。
しかし、日本に長く住んでいるからいつかは永住ビザがほしい。
そのような場合、何をどう気をつけたらいいのでしょうか?
また、5年あるいは10年といった話の根拠はどこにあるのでしょうか?
永住ビザの条件のひとつに、『素行善良要件』というものがあります。
入管法22条2項1号に規定されていることから、「1号要件」と呼ばれることもあります。
「素行が善良であること」について、法務省公表の永住許可に関するガイドラインでは、
「法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること」とされています。
→詳細はコチラ(メインページ)
もう少し具体的にみていきましょう。
法務省入国管理局の内部基準(審査要領)では次のように規定されています。
【素行善良要件】
次のいずれにも該当しない者であること。
(ア)日本国の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金に処せられたことがある者。※
(イ)少年法による保護処分(少年法第24条第1項第1号又は第3号)が継続中の者。
(ウ)日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある者。
※ただし、刑の消滅の規定の適用を受ける者又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過し、その後更に5年を経過したときは、これに該当しないものとして扱う。
上記のうち、まず(ア)に注目してみましょう。
いわゆる前科(犯罪歴)と呼ばれるものですね。
参考までにそれぞれの刑罰の内容を紹介します。
懲役は「無期及び有期とし、有期懲役は、1月以上20年以下とする」とされています(刑法11条1項)。
禁錮も刑期は上記と同じですが、「所定の作業」(刑務作業)を伴いません(刑法12条1項)。
罰金は原則「1万円以上とする」とされています(刑法15条)。
上記のうち、いずれかの刑(執行猶予を含む)に処せられたことがあると、素行善良要件を満たさないとされます。
それでは、一度刑に処せられたら、永住申請をあきらめるしかないのでしょうか?
大丈夫です。そういうわけではありません。
冒頭の質問にあったとおり、一定期間を経過すれば、永住許可される可能性もあります。
キーワードは「10年」「5年」「2年」です。
前掲(ア)の「ただし書き」にはこのように記載されています。
もう一度詳しく確認しましょう。
ただし、刑の消滅の規定の適用を受ける者
又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過し、その後更に5年を経過したときは、これに該当しないものとして扱う。
「刑の消滅」とはいったい何なのでしょうか?
刑法(34条の2)には次のように規定されています。
?禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
?刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。
5年、10年...といった法的根拠はこの刑法の規定にあるわけですね。
実務上よくあるケースは?の「罰金」についてです。
罰金のような財産刑の場合、検察官の命令によって執行するとされています(刑訴法490条1項)。
たとえば、交通違反で罰金処分を受けた場合なら、罰金の納付を終えてから罰金以上の刑を受けずに5年を経過すれば、刑の消滅規定の適用を受ける者に該当するため、素行善良要件を満たす(少なくとも(ア)には該当しない)ことになります。
★ただし、罰金には該当しない場合、たとえば軽微な交通違反歴(1点ケースや反則金等)であっても油断は禁物です。
そのような場合でも、繰り返し行うような状況が認められるときは、上記(ウ)に該当するとして、素行善良性が否定されることもあるからです。
“犯罪歴”と聞けば、「私には関係ない」と断定しがちですが、上述のとおり永住要件で求められているものは必ずしも犯罪歴だけではありません。
そのため、永住申請に際しては、専門家の意見を踏まえて事前に検討されることをお勧めします。
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]]>「日本人の配偶者として永住ビザをとった後、離婚したら永住ビザが取り消されますか?」
晴れて永住ビザを取得されたお客様から、このような心配の声を聞くことがあります。
せっかく努力して取得した永住ビザを失いたくないという気持ちは当然ですので、
そのような不安が生じても無理はないと思います。
さて、本当に上記のように長期出国や離婚等の事情が生じた場合、永住ビザが取り消されてしまうことがあるのでしょうか?
結論としては、上記(例示)の理由により永住ビザが取り消されることはありません。
「それなら安心です。それじゃあ、永住ビザを取得した以上、何があっても後から取り消されることはないですね?」
―さて、どうでしょうか?
★ここでご注意いただきたいのは、「永住者」の在留資格をもっている方も、あくまで外国人であることに変わりはないという点です。
※より正確にいえば、「特別永住者」を除く入管法別表第1又は第2の上欄の在留資格をもって本邦に在留する外国人です。
外国人である限り、『在留資格取消制度』の対象になることを忘れないようにしてください。
それでは、どのような場合に在留資格取消制度の対象になるのでしょうか?
入管法は、下記の場合に取消しの対象とすると規定しています(22条の4第1項)。
※太字(引用者)で示した各号が、特に永住者にとって重要な事項です。
一 偽りその他不正の手段により、当該外国人が第五条第一項各号のいずれにも該当しないものとして、前章第一節又は第二節の規定による上陸許可の証印(第九条第四項の規定による記録を含む。次号において同じ。)又は許可を受けたこと。
二 前号に掲げるもののほか、偽りその他不正の手段により、上陸許可の証印等(前章第一節若しくは第二節の規定による上陸許可の証印若しくは許可(在留資格の決定を伴うものに限る。)又はこの節の規定による許可をいい、これらが二以上ある場合には直近のものをいうものとする。以下この項において同じ。)を受けたこと。
三 前二号に掲げるもののほか、不実の記載のある文書(不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示により交付を受けた第七条の二第一項の規定による証明書及び不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示により旅券に受けた査証を含む。)又は図画の提出又は提示により、上陸許可の証印等を受けたこと。
四 偽りその他不正の手段により、第五十条第一項又は第六十一条の二の二第二項の規定による許可を受けたこと(当該許可の後、これらの規定による許可又は上陸許可の証印等を受けた場合を除く。)。
五 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を行つておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること(正当な理由がある場合を除く。)。
六 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を継続して三月(高度専門職の在留資格(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号に係るものに限る。)をもつて在留する者にあつては、六月)以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。
七 日本人の配偶者等の在留資格(日本人の配偶者の身分を有する者(兼ねて日本人の特別養子(民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二の規定による特別養子をいう。以下同じ。)又は日本人の子として出生した者の身分を有する者を除く。)に係るものに限る。)をもつて在留する者又は永住者の配偶者等の在留資格(永住者等の配偶者の身分を有する者(兼ねて永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者の身分を有する者を除く。)に係るものに限る。)をもつて在留する者が、その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六月以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。
八 前章第一節若しくは第二節の規定による上陸許可の証印若しくは許可、この節の規定による許可又は第五十条第一項若しくは第六十一条の二の二第二項の規定による許可を受けて、新たに中長期在留者となつた者が、当該上陸許可の証印又は許可を受けた日から九十日以内に、法務大臣に、住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)。
九 中長期在留者が、法務大臣に届け出た住居地から退去した場合において、当該退去の日から九十日以内に、法務大臣に、新住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)。
十 中長期在留者が、法務大臣に、虚偽の住居地を届け出たこと。
上記のとおり、入管法に規定された在留資格取消事由(計10項目)のうち、少なくとも半数の5項目が永住者をも対象としたものなのです。
永住許可申請の手続き場面で特に留意すべきは、上記のうち二号と三号です。
一言でいえば、申請内容を偽って(いわゆる虚偽申請をして)永住ビザを取得したような場合、後からその事実が発覚した場合、永住者であっても在留資格が取り消されてしまう場合があるのです。
当然ながら虚偽申請は許されるものではありません。
しかし、中には婚姻実態がないにも関わらず、婚姻継続の旨を装って配偶者の身分で申請したり、契約機関における稼働実態がないにも関わらず、会社に在籍して適正に仕事をしている旨を申告し、不正に許可を得る事例もあるようです。
そのような不正な事実が発覚したときは、法務大臣は「当該外国人が現に有する在留資格を取り消すことができる」とされています(22条の4第1項柱書)。
くどいようですが、たとえ対象者が永住者であってもです。
(取消の対象者は別表第1又は第2の上欄の在留資格とされており、例外は難民認定を受けている者だけだからです(同かっこ書))
とても重要な規定ですので、もう少し詳しく見ていきましょう。
二号にある「偽りその他不正の手段」とは、「偽変造文書若しくは虚偽文書の提出若しくは提示又は虚偽の申立てなど、申請人である外国人が故意をもって行う不正の行為一切をいい、これには、一定の行為を行わないことを含む」とされています(入管法実務六法)。
前段は大丈夫ですね。申請人が故意に(=わざと)ニセモノの文書やウソの事実を伝えること等です。
決して許されるものではありません。
★実務上もっとも注意すべきは後段部分「一定の行為を行わないこと」も含まれるという点です。
これを専門用語で「不作為(ふさくい)」と言います。
申請に際して不利益な事実がある場合、たとえば、本当は長期間別居状態にある場合や、その他重大な法令違反等があるにも関わらず、それを隠して申請する場合です。
この点については、近年の裁判例でも「「偽りその他不正の手段」とは、当該外国人が故意をもって行う虚偽の申立て、不利益事実の秘匿、虚偽文書の提出等の不正行為の一切をいうと解するのが相当」である旨が判示されています(平成25年12月3日東京地裁判決)。
上述した不作為の姿勢、いわば“不利な書類は出さずに申請する”という姿勢は、実際の申請場面では珍しくないようですが、上記取消のリスクや裁判例をみても、本来あるべき姿ではないことは明らかでしょう。
(もちろん、対象となる事実の程度にもよりますが)不利益な事実があるときこそ、それを率直に開示・申告したうえで、合理的な弁明・真摯な反省でフォローに努めるという姿勢が、じつはもっともリスク回避の近道といえるのです。
それでは、申請者の故意によらず、たとえば、勤務先の会社が勝手に虚偽の文書を作成し、それを添付していた場合はどうでしょうか?
その場合は、上述した「偽りその他不正の手段」には該当しません。
★ただし、その場合でも三号に該当する可能性がありますので注意が必要です。
本号は一号・二号と異なり、申請者に故意があることを構成要件とはしていませんので、仮に申請者自身にその認識がなかったとしても、結果的に不実の記載のある文書等を提示して許可を受けた場合は取消しの対象となりえます。
上記のほか、たとえば九号や十号は住居地の届出義務違反についての規定ですので、ついウッカリ手続き漏れがあれば、永住者でも該当してしまう可能性が十分にあるといえます。
なお、この在留資格取消制度は、たびたび法改正により該当事由が追加されています。
永住ビザを取得したからといって油断せず、入管法令をはじめとした法規範・ルールをしっかり理解し、日本社会の一員としての自覚ある生活を心がけていきましょう。
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]]>その条件にも関わってくる事案として、最新の報道をご紹介します。
報道(共同通信)によると、全国で豚骨ラーメン店を展開する「一蘭」が、大阪・ミナミの店舗で外国人留学生らを違法に働かせたとして、入管法(出入国及び難民認定法)違反で書類送検されました。
今回問題となったのは「不法就労助長罪」です。
入管法は、下記のいずれかに該当する者を、不法就労助長(すなわち、不法な就労を手助けした)として罰しています(入管法73条の2第1項)。
一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者
「留学」や「家族滞在」等、就労活動が認められていない在留資格を有する者は、資格外活動許可(入管法19条2項)を取得した場合は例外的に働くことができるものの、労働時間は原則として週28時間以内に制限されています(入管法施行規則19条5項)。
それにも関わらず、同社では「最長で週39時間以上働き、月21万円を得た留学生もいた」といいます。
(引用元:朝日新聞デジタル)
また、入管法には両罰規定(入管法76条の2)があるため、今回は運営会社についても法人として書類送検されたようです。
※両罰規定とは:社長や役員等の個人だけではなく会社(法人)も罰する規定のこと
同社は首都圏でも有名なチェーン店であったことから、今回話題の中心となったのは同社の不法就労助長罪だったのですが、もちろん、不法就労を行った留学生等当人自身も資格外活動罪(入管法73条)で処罰の対象となります。
実際に本件でも、従業員のベトナム人女性(29歳)が同罪で逮捕されています。
(出典:朝日新聞デジタル)
なお、同罪は、「一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。」とされていることから、もし逮捕されて刑が確定すれば、上述した素行善良要件に係る「(1)日本国の法令に違反して、懲役、禁固又は罰金(道路交通法違反による罰金を除く。以下同じ。)に処せられたことがある者」(審査要領)に該当するため、この要件に適合しないとして不許可処分がなされることになります。
★永住申請において特に注意すべきは、配偶者が「家族滞在」等就労不可の在留資格を有する場合です。
本体となる就労資格を有する外国人の扶養を受ける配偶者は、通常、就労が認められていない「家族滞在」や「留学」の在留資格を有しているため、もし審査においてアルバイト超過等の疑義が生じた場合、たとえ同罪で逮捕・起訴されていないとしても、当該事実が審査上消極的な評価につながることは間違いありません(多くの場合、扶養者の課税証明書の配偶者控除欄もしくは被扶養者の(非)課税証明書等で確認されます。また、家族同時申請の場合、たとえ違反事実が当該配偶者にのみ係るものであったとしても、それを理由のひとつとして家族全員が不許可処分を受けることもありえます)。
そのため、本体となる申請人(主たる生計維持者)の収入だけではなく、被扶養者の収入状況も入念に確認することが大切なのです。
雇う方も、雇われる方も、「知らなかった」ではすまされません。
報道によると、同社は外国人雇入れの際のハローワークへの届出義務(雇用対策法28条)も履行していなかったといいます。
今回の報道をきっかけに、上述したルールが今一度周知されることを願ってやみません。
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